要旨

最新医学 別冊 新しい診断と治療のABC 18改/代謝2
糖尿病 (改訂第2版)


第1章 概念・分類・疫学
概念・定義・分類

西  理宏    和歌山県立医科大学病態栄養治療学 准教授
南條輝志男   和歌山県立医科大学 名誉教授

要旨
 糖尿病はインスリン作用不足による慢性高血糖を主徴とする代謝疾患群であり,特有の合併症(細小血管症)を来しやすく,また動脈硬化をも促進する.成因分類では1型,2型,その他特定の機序・疾患によるもの,および妊娠糖尿病に分類されるが,臨床的には病態(病期)からインスリン依存状態,非依存状態を判断することも重要である.

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第1章 概念・分類・疫学
疫学・死因

堀田  饒  労働者健康福祉機構中部ろうさい病院 院長

要旨
 疫学と死因から,糖尿病の病態について得られる情報は少なくない.我が国のみならず,世界的に糖尿病人口の増加は避けられない.従来,我が国の糖尿病患者の死因の第1位は血管合併症だったが,1990 年代の死因の第1位は日本人一般同様に悪性腫瘍である.医科学の進歩した今日,ここ 30 年間我が国の糖尿病患者の平均寿命は,日本人一般と同じく延びているにもかかわらず,約 10 年短い.この差の短縮は,管理・治療の一目標と言える.
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第2章 成因・病態
1型糖尿病の成因・病態

馬場谷 成   近畿大学医学部内分泌・代謝・糖尿病内科 医学部講師
池上 博司   近畿大学医学部内分泌・代謝・糖尿病内科 教授

要旨
 1型糖尿病は,インスリン産生細胞である膵ラ氏島β細胞の破壊的機序により,著しいインスリン欠乏に至る疾患であり,最終的には,外部からのインスリン投与を行なわなければ,生命を維持できない重篤な疾患である.1型糖尿病の成因は,自己免疫機序により発症する“自己免疫性(1A)”と,その成因がいまだ明らかではない“特発性(1B)”に分類されているが,大部分は自己免疫性と考えられている.本稿では,1型糖尿病の成因とその病態について概説する.

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第2章 成因・病態
2型糖尿病の成因・病態

荒木 栄一    熊本大学大学院生命科学研究部代謝内科学分野 教授

要旨
 2型糖尿病は,インスリン分泌低下やインスリン抵抗性を来す複数の遺伝因子に,生活習慣の乱れやその結果としての肥満が環境因子として加わり,インスリン作用不足を生じて発症する糖尿病である.インスリン分泌低下とインスリン感受性低下の関与の程度は,症例によって異なる.膵β細胞機能はある程度保たれており,インスリン依存状態となることはまれである.多くは中年以降の発症であるが,小児・若年者にも2型糖尿病が増加している.

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第3章 診 断
新しい診断基準

清野  裕  関西電力病院 院長

要旨
 日本糖尿病学会(JDS)では 2010 年7月1日から新しい診断基準を施行することになった.その概要は以下のとおりである1)2).
 従来の血糖値による診断基準は堅持.診断基準にヘモグロビンA1c(HbA1c)を取り入れる.HbA1c のカットオフ値は 6.1%(JDS 値).初回検査で,@空腹時血糖値≧126mg/dl,A75g 経口糖負荷試験(OGTT)2時間値≧200mg/dl,B随時血糖値≧200mg/dl,CHbA1c(現在使用している JDS 値,以下特に注釈がない場合は JDS 値)≧6.1% のうちいずれかを認めた場合は,“糖尿病型”と判定する.別の日に再検査を行い,再び“糖尿病型”が確認されれば糖尿病と診断する.ただし,HbA1c のみの反復検査による診断は不可とする.初回血糖値と HbA1c の同時測定を推奨する.両方が糖尿病型であれば1回の採血で糖尿病と診断可能.HbA1c は JDS が別に定める日から国際標準値へ移行する(JDS 値+0.4%=国際標準値).

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第3章 診 断
HbA1c の新しい表記と標準化

西尾 善彦   滋賀医科大学内科学講座(糖尿病・腎臓・神経内科)准教授
柏木 厚典   滋賀医科大学附属病院 病院長

要旨
 2007 年にヘモグロビン A1c(HbA1c)の国際標準化に関するステートメントが国際臨床化学連合(IFCC)を中心に発表され,日本で使用している値(JDS 値)と米国を中心に使用される NGSP 値の乖離が認識されるに至った.日本糖尿病学会(JDS)では 2010 年7月1日を期に,国際学会,英語論文で用いる HbA1c を国際標準値(JDS 値+0.4%)に変更し,一般臨床での HbA1c 値についても,学会が指定する国際標準化変更日をもって国際標準値に変更する方針を打ち出した.
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第4章 管理・治療
治療目標

岩本 安彦    東京女子医科大学 糖尿病センター センター長

要旨
 糖尿病は高血糖の持続を特徴とする慢性疾患であり,合併症が発症すると全身の諸臓器に障害が現れる全身疾患である.したがって,良好な血糖コントロールを長期間にわたって保ち,糖尿病に特有の細小血管症や併発しやすい動脈硬化に基づく大血管症の発症・進展を抑制することが重要である.それによって QOL の低下を防ぎ,糖尿病を持たない人と同様の寿命を全うさせることが治療目標となる.
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第4章 管理・治療
ガイドライン

田嶼 尚子    東京慈恵会医科大学 名誉教授

要旨
 糖尿病における科学的根拠に基づく医療(EBM)の実践に資するために策定された『科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン』では,国内外の高水準のエビデンスを基盤としたステートメントとその推奨の強さが示され,主要文献の要約がアブストラクトテーブルにまとめられている.糖尿病診療に有用なガイドラインとして十分活用されるためには,最新文献の掲載とその批判的な吟味,重要テーマの収載,適用可能性の検討,英語版の刊行などが継続的な検討事項である.

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第4章 管理・治療
食事療法の実際

津田 謹輔  京都大学大学院人間・環境学研究科認知・行動科学 教授

要旨
 食事療法は,患者が自分で実施して初めて治療になる.糖尿病学会が発行している糖尿病診療ガイドラインや糖尿病治療ガイドは,食事療法の基本を知るのに役立つ.食事療法の実施にあたっては,食品交換表があるので,その考え方を理解しておくことが有用である.それらを踏まえて,主治医は管理栄養士と共に,患者の日常生活に沿って,実現可能な指導を繰り返して行うことが大切である.

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第4章 管理・治療
カーボカウントの実際

黒田 暁生    大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科学第1研究室

要旨
 食後血糖値を規定するのは食品中の糖質量である.摂取糖質量を考慮したカーボカウントは,食後血糖値の管理を目的とする.食品交換表に基づく糖尿病食1食の含有糖質量は,重量の米飯 40%,パン 50%,ゆで麺 20%,主食以外を 20g として合計すると,ほぼ正確に算出できる.摂取糖質量,追加インスリン量,血糖値の変化から,インスリン1単位で摂取できる糖質量,下げられる血糖値を把握して,糖質量に応じた追加インスリン量を決定する.
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第4章 管理・治療
運動療法の実際

佐藤 示右造   愛知学院大学心身科学部 学部長/健康科学科 教授

要旨
 食事療法と運動療法は糖尿病の基本治療であり,適度な食事制限と身体トレーニングの実施は,筋肉のトレーニングになるとともに,内臓脂肪を効率的に減少させ,個体のインスリン抵抗性改善を介し,2型糖尿病の予防治療に有用である.具体的には,散歩,ジョギングなど全身の筋肉を用いる有酸素運動を中等強度で,1回 10〜30 分,週3〜5日以上実施する.高齢者ではレジスタンス(筋力)運動も併用する.チーム医療体制で指導する.

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第4章 管理・治療
経口血糖降下薬療法の実際

松木 道裕  川崎医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科学 准教授
加来 浩平  川崎医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科学 教授

要旨
 2型糖尿病における治療の目標は,血管合併症を予防し,患者の生活の質や健康寿命を確保することであり,発症早期からの厳格な血糖管理が重要である.最近,2型糖尿病治療薬として登場したジペプチルペプチダーゼW(DPPW)阻害薬はインクレチン作用減弱を是正する点で,既存の経口血糖降下薬にない作用を持ち合わせており,2型糖尿病における治療の幅は確実に広がった.糖尿病治療の目標を達成するには,患者の病態や治療コンプライアンスを考慮した薬剤の選択が不可欠であると考える.


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第4章 管理・治療
インクレチン関連薬とその使い方

原田 範雄   京都大学大学院医学研究科糖尿病・栄養内科学
稲垣 暢也   京都大学大学院医学研究科糖尿病・栄養内科学 教授

要旨
 新規の糖尿病治療薬としてインクレチン関連薬が開発され,本邦でも 2009 年 12 月に DPPW阻害薬が,2010 年6月に GLP−1 受容体作動薬が臨床で使用可能となった.国内外の臨床試験の成績から,日本人2型糖尿病に対するインクレチン関連薬の効果は,欧米人2型糖尿病に比較して大きい可能性がある.一方で,スルホニル尿素(SU)薬との併用による重症低血糖が報告され,今後は日本人2型糖尿病に対する長期的効果や安全性を評価していく必要がある.
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第4章 管理・治療
インスリン治療の実際

M口 朋也   兵庫医科大学先進糖尿病治療学 特任准教授

要旨
 経口糖尿病薬で十分な血糖コントロールが得られない患者では,できるだけ早期からのインスリン治療導入が望ましい.インスリン治療には,種々の製剤の組み合わせによるさまざまなバリエーションが存在し,個々の患者で速やかに最適化される必要がある.本稿では,代表的なインスリン治療法のうち近年注目される basal−supported oral therapy(BOT)や,さらなる改善に向けて,段階的に bolus を追加していく治療法について利点や欠点などを紹介する.
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第4章 管理・治療
インスリン自己注射と血糖自己測定指導の実際

添田百合子    大阪医科大学附属病院看護部 看護師長/慢性疾患看護専門看護師

要旨
 インスリン注入器と簡易血糖測定器の開発と改良により,糖尿病治療と患者の QOL は向上した.インスリン自己注射と,血糖自己測定(SMBG)の指導には,@インスリン自己注射や SMBG を受け入れる,Aインスリン自己注射と SMBG の手技を習得する,Bインスリン自己注射と SMBG を安全に継続して行うことへの支援,などがある.これらの支援は,医師や看護師,薬剤師などがチームで実施し,外来患者に対しては,看護外来で継続支援することができる.

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第4章 管理・治療
CSIIとCGM

西村 理明   東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科 講師
           ピッツバーグ大学 公衆衛生大学院 准教授

要旨
 持続皮下インスリン注入療法(CSII)は,生理的なインスリン分泌動態を再現することができるため,特に1型糖尿病において,究極の血糖コントロールをもたらす可能性を持つ機器である.また,持続血糖モニター(CGM)は糖尿病患者において,今まで観察することができなかった血糖変動の実態を把握することを可能とした.CGM と CSII の長所を生かしながら併用することで,高血糖と低血糖を減らすことにより,血糖変動パターンを健常者に近づけることが可能となりつつある.
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第4章 管理・治療
食後高血糖是正の重要性と実際

吉岡 成人   NTT東日本札幌病院糖尿病内分泌内科 部長

要旨
 多くの疫学データから,75g 経口糖負荷試験(OGTT)2時間値と心血管障害,総死亡との関連が示唆されている.確かに,厳格な血糖コントロールのためには空腹時血糖(FPG)値のみならず食後高血糖の管理が重要である.しかし,食後血糖(PPG)値のピークがは食後のどのポイントにあるのかは治療モードによって大きく異なる.また,耐糖能異常(IGT)を対象として食後高血糖に介入した臨床試験はあっても,2型糖尿病患者を対象に食後高血糖に介入した試験は極めて少ない.現在までの臨床データからは,食後高血糖が心血管障害のリスクなのかマーカーに過ぎないのか,慎重に考えたうえでの対応が必要である.

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第4章 管理・治療
小児の糖尿病管理の実際

杉原 茂孝  東京女子医科大学東医療センター小児科 教授

要旨
 小児期は,新生児期,乳児期,幼児期,学童期,そして思春期と分かれ,それぞれ特徴を持っている.糖尿病治療に際しても,各時期の身体発育と心理発達の特徴を理解することが重要である.1型,2型糖尿病を始め,遺伝子異常によるものなど,小児期の糖尿病の病態も多様である.今回は,乳幼児期,学童期,思春期,さらに1型,2型糖尿病に分けて,食事療法,薬物治療について管理の実際を述べる.
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第4章 管理・治療
糖尿病妊婦の管理の実際

和栗 雅子    大阪府立母子保健総合医療センター母性内科 副部長

要旨
 糖尿病妊婦の管理で大切なことは,母児の周産期合併症を防ぐことである.そのためには,内科医と言えども胎児の立場に立ち,母体の厳格な血糖管理をすることによって,その子宮内環境を整えているという自覚を持つことが大切である.また,妊娠中の管理だけでなく,児の先天異常を防ぐには妊娠前から,糖尿病の進行や妊娠糖尿病から真の糖尿病への進展を防ぐには分娩後の管理も重要である.

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第4章 管理・治療
高齢者の糖尿病管理の実際

横野 浩一   神戸大学大学院医学研究科総合内科学 教授

要旨
 ますます深まる少子高齢社会において,高齢者糖尿病の頻度が増加している.この原因として,加齢に伴う筋肉減少症(サルコペニア)が大きな要因をなしている.高齢者糖尿病はその罹病期間により病態が多様であるため,各個人に応じたテーラーメイドの対応が求められる.特に,高齢者糖尿病に合併頻度が高いと注目されている認知症は,本疾患のより良い治療と管理を妨げる最大の原因となる.このような多様な高齢者糖尿病の管理のためには,包括的老年医学的機能評価(CGA)を駆使することが必要である.

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第4章 管理・治療
高血糖緊急症管理の実際

徳永あゆみ     大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科学第2研究室

要旨
 高血糖緊急症は,糖尿病の急性合併症として重要であり,中でも糖尿病ケトアシドーシス(DKA)および高血糖高浸透圧昏睡(HONK=HHNC)の2者を指すことが多い.糖尿病治療法の進歩とともにその発症頻度および致命率は低下傾向にあるが,初期対応を誤ると生命にかかわるため,迅速な判断と的確な治療が必要である.

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第4章 管理・治療
シックデイ管理の実際

上野 宏樹   大阪市立総合医療センター代謝内分泌内科
川崎  勲    大阪市立総合医療センター代謝内分泌内科 副部長
日浦 義和   大阪市立総合医療センター代謝内分泌内科 副部長
細井 雅之   大阪市立総合医療センター代謝内分泌内科 部長

要旨
 糖尿病は,生活と密接に関係する病気であり,感染症や外傷によるストレス下で普段の治療を継続するだけでは管理が困難となる.症状に応じて内服薬は減量や中止の必要があり,食事量や血糖に応じたインスリン量の調整が必要である.特に,1型糖尿病患者ではインスリンの中段から糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)となる危険性がある.シックデイでは,適度な水分摂取と糖質補給,そして頻回の血糖測定が危険を回避するために必要であり,事前の患者教育が重要となる.

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第4章 管理・治療
低血糖

木村(小林)朗子   順天堂大学医学部内科学代謝内分泌学講座
弘世 貴久       順天堂大学医学部内科学代謝内分泌学講座 准教授

要旨
 糖尿病治療において,低血糖とは血糖コントロールの追及の際に常についてくる問題である.ACCORD study にも示されているように,場合によっては死亡率に影響する問題であり,血糖コントロールを求めながらも低血糖の危険性を減らす努力は必須である.本稿ではまず糖尿病患者の低血糖について,後半で低血糖症の鑑別,最後に予防のための臨床的なポイントを述べた.
 低血糖(特に夜間低血糖・重症低血糖)は単に身体的な影響だけでなく,血糖コントロールを含めて患者の生活や精神状態に強く影響する.どんなときに低血糖が起りやすいか・対処法の知識,対処できるという自信が QOL を低下させないために重要である.

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第4章 管理・治療
外科手術時の血糖管理の実際

寺前 純吾   大阪医科大学内科学 講師
花房 俊昭   大阪医科大学第一内科 教授

要旨
 外科手術時における血糖管理の目的は,周術期における糖代謝の乱れを最小限にすることにより,感染や創傷治癒遅延をできるだけ防ぐことにある.術前に糖尿病の病型,合併症や治療内容を把握し,しっかりとした血糖管理計画を立てることが大切である.周術期の血糖コントロールの目標値は,200mg/dl 以下である.経口血糖降下薬の多くはインスリンに切り替え,頻回の血糖測定をためらわず,積極的に血糖管理をすることが肝要である.

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第4章 管理・治療
心理面からのアプローチ

石井  均   天理よろづ相談所病院内分泌内科 副院長

要旨
 糖尿病は自己管理の病気である.治療目標は血糖,血圧,脂質などの管理を通して,慢性合併症を予防し,将来の QOL と寿命を確保することである.そのためには,心理面でのサポートが重要な役割を果たす.患者が自律的に自己管理ができるようになり,心理的にも良い状態が維持できるような援助が求められている.

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第4章 管理・治療
実地医家でできることと専門医紹介のタイミング

磯谷 治彦   磯谷内科 院長

要旨
 40 歳以上の3人に1人が糖尿病か予備群とも言われる.これらの患者が最初に訪れるのは,内科に限らず身近な相談医である実地医家であることが多い.初診時の対応で患者の予後が大きく左右される.罹病期間と合併症の把握,初診時のヘモグロビン A1c(HbA1c)値を速やかに調べ,生活歴の聴取をもとに方針を立てる.急性代謝失調時など,専門医への紹介のタイミングを逸しない.患者を中心に病院と診療所の機能をうまく活用した地域連携が望まれる.

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第4章 管理・治療
糖尿病の地域医療連携:電子化地域連携パスから“日本版地域連携EHR”への展開

平井 愛山   千葉県立東金病院 院長

要旨
 千葉県山武医療圏では,平成 20 年から SDM2008 に準拠した糖尿病の循環型地域連携パスを広域電子カルテ(わかしお医療ネットワーク)上に構築・運用している.電子化連携パスに,新たに疾病管理機能を付加することで,病院およびかかりつけ医の各種検査データセットについて,異常値をバリアンスとしてネット上で管理することにより,地域ぐるみで,血糖コントロール不良者の層別化や各種合併症の早期診断・早期治療が可能になった.今後地域ぐるみの糖尿病の疾病管理に大きく貢献することが期待される.

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第4章 管理・治療
糖尿病教室の進め方

渥美 義仁   東京都済生会中央病院糖尿病臨床研究センター センター長

要旨
 糖尿病治療では,1型でも2型でも患者自身が行うことが結果に結びつくので,患者教育が基本である.患者教育を十分行う手段として,糖尿病教室が従来から行われてきた.近年,治療薬が進歩しているが,適正にして安全な薬物の使用に関しても,糖尿病教室で外来の説明を補完することは十分意義がある.教室の目的,プログラム作成,チーム運営,評価などについて述べる.

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