要旨

最新醫學 診断と治療のABC 127
アレルギー性鼻炎

第1章 疫学
疫学

三輪 正人   日本医科大学大学院医学研究科 頭頸部・感覚器科学分野 臨床教授
順天堂大学大学院医学研究科 アトピー疾患研究センター 客員教授

要旨
 アレルギー性鼻炎はほかのアレルギー疾患と同じく,世界的に増加している.スギ花粉症は,人口密度が高く,大気汚染の進んだ地域に高率で発症しやすい.加齢とともにダニに対する感作率,有病率は減少するが,スギ花粉症は,感作率,有病率ともに増加する.早期介入により,感作・発症・重症化およびアレルギーマーチを制御できる可能性がある.

キーワード
アレルギー性鼻炎 早期介入 バリア機能 ドライノーズ 疫学

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第2章 発症機序
メカニズム1.生理学的機序

北村 嘉章    徳島大学大学院医歯薬学研究部 耳鼻咽喉科学分野 講師
武田 憲昭    徳島大学大学院医歯薬学研究部 耳鼻咽喉科学分野 教授

要旨
 アレルギー性鼻炎は,くしゃみ,水様性鼻漏,鼻閉を3主徴としたI型アレルギー疾患である.即時相では,抗原抗体反応により活性化されたマスト細胞からヒスタミンが放出され,三叉神経終末を刺激し,くしゃみ,鼻汁分泌と鼻粘膜腫脹の一部を引き起す.マスト細胞からはロイコトリエン(LT)も放出され,鼻粘膜腫脹を引き起す.遅発相では,好酸球を中心とする炎症細胞が浸潤してLTが遊離され,鼻粘膜腫脹が起きる.

キーワード
Ⅰ型アレルギー ヒスタミン ロイコトリエン 神経原性反射 ヒスタミンH1受容体

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第2章 発症機序
メカニズム2.免疫学的機序

藤枝 重治      福井大学学術研究院医学系部門 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 教授

要旨
 アレルギー性鼻炎は,第2グループ自然リンパ球(ILC2)の発見以来,免疫グロブリン(Ig)E依存性アレルギー炎症(獲得アレルギー)と,IgE非依存性アレルギー炎症(自然アレルギー)に分けられるようになった.自然アレルギーでは上皮からIL?25,IL?33が産生され,炎症の開始点となる.さらに現在5種類のCD4陽性T細胞も,今後さらに詳細に分類されていく可能が高い.免疫担当細胞が複雑に関与して,アレルギー炎症が構築されていることがますます判明していくと思われる.

キーワード
第2グループ自然リンパ球(ILC2) IgE Th2細胞 好酸球 肥満細胞

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第3章 診断
IgE抗体測定の意義

榎本 雅夫      NPO日本健康増進支援機構

要旨
 アレルギーの治療方針を立てる場合,原因となるアレルゲンを特定し,そのアレルゲンをなるべく排除する環境や生活習慣を作ることが重要である.原因アレルゲンを特定するために広く用いられている検査は,特異的免疫グロブリン(Ig)E抗体の測定である.その測定方法として,単項目検査と多項目検査がある.単項目検査は問診などで項目を絞り込む必要があるが,定量性があり,治療の効果など経過観察する際にも有効である.一方多項目検査は,問診による項目の絞り込みが不要でスクリーニング検査として用いられるが,定量性がなくクラス判定となる.問診だけでは十分に情報を得られない場合は,最初に多項目検査を実施し,陽性となった項目を単項目検査で経過観察する方法が,見逃しのリスクを避けるうえで有効と考えられる.単項目検査は50?190項目の中から自由に選んで測定することができ,多項目検査は少量の検体で一度に30項目以上が測定可能である.国内では単項目検査が3種類,多項目検査が3種類あり,それぞれに特徴があるので現場の状況に応じて使い分けるのがよいと思われる.しかし,IgE抗体検査の結果が陽性でも,必ずしもアレルギーであるとは限らない.アレルギー疾患の診断は,病歴聴取と検査結果を総合的に判断して行うことが重要である.

キーワード
アレルゲン IgE 花粉症 喘息 スクリーニング

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第3章 診断
誘発反応 -抗原曝露室を中心に-

橋口 一弘      ふたばクリニック 院長

要旨
 アレルギー性鼻炎(AR)の診断法の1つに,鼻誘発試験がある.本邦においてはペーパーディスク法による鼻誘発試験が一般的だが,市販されている抗原ディスクはハウスダストとブタクサ花粉のみで,スギ花粉はない.抗原曝露室は一定環境下で一定濃度の抗原を同時に多人数に曝露できる部屋で,自然環境下と同様の症状が誘発される.国内にはスギ花粉を飛散させる施設がある.設備が特殊なため,限定された施設でしか施行できない.

キーワード
アレルギー性鼻炎 誘発反応 鼻誘発試験 抗原(花粉)曝露室

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第3章 診断
鑑別診断

松根 彰志     日本医科大学武蔵小杉病院 耳鼻咽喉科 教授

要旨
 アレルギー性鼻炎の診断には,①副鼻腔炎と鼻炎,②感染性と非感染性,③アレルギー性と非アレルギー性の鑑別が重要となる.簡単なようで難しいことや迷うことも少なくないが,正確な診断は治療方針の正しい決定と直結し,臨床的に極めて重要である.喘息などの下気道疾患との合併が問題になることが多い点にも留意したい.近年話題のLocal Allergic Rhinitisにも触れつつ“鑑別診断”について述べる.

キーワード
アレルギー性鼻炎 鑑別診断 局所アレルギー反応性鼻炎 感染性鼻炎 非アレルギー性鼻炎

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第3章 診断
鼻腔所見と鼻粘膜の病理組織所見

中丸 裕爾     北海道大学病院 耳鼻咽喉科 講師

要旨
 アレルギー性鼻炎は鼻粘膜にアレルギー性炎症が生じ,さまざまな組織学的変化を示す.鼻腔所見ではそれらの変化を外から,病理組織所見では内側から観察することができる.鼻腔所見においては,粘膜の色調,腫脹の度合い,鼻汁の性状をチェックする.実際には蒼白な粘膜を呈さない鼻炎患者も多く,注意が必要である.病理組織所見では,上皮の多層化と杯細胞の増生,固有層の炎症細胞,鼻腺,浮腫,容量血管の拡張線維化が認められる.

キーワード
アレルギー性鼻炎 鼻腔所見 病理組織

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コラム
「スギ花粉とヒノキ科花粉飛散」の現状とその将来

今井 透    特定非営利活動法人花粉情報協会 理事長

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第4章 治療
第2世代抗ヒスタミン薬
太田 伸男
     東北医科薬科大学医学部 耳鼻咽喉科学 教授
鈴木 祐輔     山形大学医学部 耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座

要旨
 抗ヒスタミン薬は『鼻アレルギー診療ガイドライン』でも,すべての病型と重症度における薬物治療で推奨されており,最も頻用度の高い薬剤である.第2世代の抗ヒスタミン薬は第1世代と比べ中枢抑制作用が軽く,くしゃみや鼻漏のほか鼻閉にもやや効果は強い.薬物の薬理学的な特徴を理解し,うまく使い分けをすることによって可及的速やかに,患者の生活の質(QOL),満足度を高める,最適の治療パターンを確立することが肝要である.

キーワード
第2世代抗ヒスタミン薬 効果 中枢抑制作用 患者コンプライアンス 費用便益

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第4章 治療
抗ロイコトリエン薬
黒野 祐一
     鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 教授

要旨
 ロイコトリエン(LT)は肥満細胞や好酸球などの炎症細胞で産生され,抗LT薬は血管内皮細胞や好酸球,肥満細胞に発現するLT受容体と結合し,その作用を阻止する.抗LT薬が血管内皮細胞に働くことで,LTによる鼻粘膜容積血管の拡張および血管透過性の亢進を抑制して,鼻閉を改善する.また,好酸球の遊走活性や肥満細胞のサイトカイン産生も抑え,くしゃみや水様性鼻漏に対しても奏功する.

キーワード
ロイコトリエン 抗ロイコトリエン薬 血管内皮細胞 好酸球 鼻閉

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第4章 治療
抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2受容体拮抗薬
岡野 光博
      国際医療福祉大学医学部 耳鼻咽喉科学 教授
品川 潤        国際医療福祉大学三田病院 耳鼻咽喉科学

要旨
 現在市販されている抗プロスタグランジン(PG)D2・トロンボキサン(TX)A2受容体拮抗薬はラマトロバンである.ラマトロバンはTXA2受容体であるTPと,PGD2受容体の1つであるchemoattractant receptor?homologous molecule expressed on Th2 cells(CRTH2)との両者を阻害する.TPを介するシグナルは鼻粘膜の血管透過性亢進や鼻腔抵抗の上昇に寄与し,またCRTH2を介するシグナルは鼻粘膜局所の好酸球浸潤を促進する.ラマトロバンはこれらのシグナルを阻害し,アレルギー性鼻炎の3主徴,特に鼻閉に高い効果を示す.

キーワード
CRTH2 TP ラマトロバン 鼻閉

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第4章 治療
鼻噴霧用ステロイド
増山 敬祐
    山梨大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 教授
田中 翔太       山梨大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教

要旨
 鼻噴霧用ステロイドは,抗炎症作用という点ではほかの薬物療法とは作用機序が異なっている.そのため,対症療法としての薬物治療の中では,ほかの薬剤と比較して優れた有効性に加え,安全性と経済性をも兼ね備えた治療薬と言える.エビデンスレベルも高く,欧米のガイドラインでは第1選択薬として位置づけられている.本邦においても,正しい使用法の指導により多くの症例がその恩恵に浴し,第1選択薬として広く普及することを願っている.

キーワード
鼻噴霧用ステロイド 抗炎症作用 AIRA2010 AAO-HNSD2015 鼻アレルギー診療ガイドライン2016

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第4章 治療
花粉症に対する初期療法
川内 秀之
    島根大学医学部 耳鼻咽喉科学講座 教授

要旨
 『鼻アレルギー診療ガイドライン2016年版(改訂第8版)』では,初期療法に使用する薬剤として,非鎮静性の抗ヒスタミン薬,鼻噴霧用ステロイド,ロイコトリエン受容体拮抗薬などが推奨されている.鼻症状の型別や重症度も考慮して,薬剤の選択を行うことが肝要である.スギ花粉の本格飛散が予測される1?2週間前からこれらの薬剤を投与することで,本格飛散期以降の薬物療法において,より有効な治療効果が得られることが報告されている.

キーワード
初期療法 薬物療法 ヒスタミン受容体 インバースアゴニスト 抗ヒスタミン薬

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第4章 治療
皮下アレルゲン免疫療法
相馬 真智香
  埼玉医科大学 呼吸器内科
永田 真     埼玉医科大学 呼吸器内科 教授
埼玉医科大学病院 アレルギーセンター センター長

要旨
 アレルギー疾患の薬物療法は発達しているが,これらは対症療法であって自然経過を修飾するものではない.そこで原因療法として,アレルゲン免疫療法の意義が重要視されている.本療法は鼻炎に対する治療効果に加え,合併する喘息に対する臨床効果,さらに薬物減量作用,新規アレルゲンの感作阻止作用など,個々のアレルギー性鼻炎患者の自然史を修飾する多様な効果を発揮する.本稿では,皮下注射法について概説する.

キーワード
アレルゲン免疫療法 皮下注射法 アレルギー性鼻炎 スギ花粉症 ダニアレルギー

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第4章 治療
舌下免疫療法
湯田 厚司
  ゆたクリニック 院長
滋賀医科大学 耳鼻咽喉科 客員教授

要旨
 アレルギー性鼻炎の舌下免疫療法は,2014年に本邦で初めて保険適用となった.現在スギ花粉とダニの治療薬があり,安全に自宅で治療が行える.講習を受けた登録医のみが治療可能で,おのおの規定された増量期を経て,毎日の舌下維持量投与を数年以上行う必要がある.スギ花粉の治療開始は花粉飛散期を避ける.治療効果は高く,既存の薬物治療より良好であった.現在12歳以上に保険適用であるが,小児例の治療も開発中で,期待される.

キーワード
舌下免疫療法 アレルギー性鼻炎 スギ花粉症 ダニ

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第4章 治療
レーザー手術の理論と実践
朝子 幹也     関西医科大学総合医療センター 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 病院教授

要旨
 アレルギー性鼻炎の治療は,薬物治療,手術治療,免疫療法に分けられる.『鼻アレルギー診療ガイドライン』における手術療法の位置付けは,重症例のうち,鼻閉型で形態異常を伴うものに適応が推奨されている.低侵襲手術であるCO2レーザー焼灼術は,外来日帰り手術処置として広く施行されている.外科処置を行う耳鼻科医にとって治療ツールとして重要な選択肢であるが,施術の方法によって大きく結果が異なる治療でもある.

キーワード
アレルギー性鼻炎 CO2レーザー 手術治療

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第4章 治療
下鼻甲介に対する手術療法
村上  亮介 
    日本医科大学大学院医学研究科 頭頸部・感覚器科学分野
大久保 公裕    日本医科大学大学院医学研究科 頭頸部・感覚器科学分野 教授

要旨
 アレルギー性鼻炎の治療法は,大きく4つに分けられる.1つ目はマスクの装着などの抗原の除去と回避,2つ目は薬物療法,3つ目はアレルゲン免疫療法,4つ目は手術療法である.手術療法は,薬物療法に抵抗する症例で選択され,重症度分類での重症例に行われることが多い.下鼻甲介粘膜表層に対する手術,下鼻甲介の減量手術,下鼻甲介に分布する神経切断術がある.本稿では,下鼻甲介に対する手術療法について解説する.

キーワード
アレルギー性鼻炎 手術療法 下鼻甲介 後鼻神経

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コラム
ダニ抗原について
高井 敏朗
    順天堂大学大学院医学研究科 アトピー疾患研究センター 准教授

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第4章 治療
眼症状への対処
福島 敦樹
    高知大学医学部 眼科学教室 教授

要旨
 アレルギー性結膜炎は,アレルギー性結膜疾患の軽症型である.診断には臨床所見に加えて,Ⅰ型アレルギーの証明が必要である.鑑別で最も注意すべき疾患は,アデノウイルス性結膜炎である.抗アレルギー点眼薬による治療が基本であるが,治療効果が不十分な場合はステロイド点眼薬を追加処方する.ただし,ステロイド点眼薬を用いると眼圧上昇を来す頻度が比較的高いので,定期的な眼圧測定が必須となる.

キーワード
アレルギー性結膜炎 アレルギー性結膜疾患 抗アレルギー点眼薬 春季カタル ステロイド点眼薬

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第4章 治療
花粉症の皮膚症状への対応
横関 博雄
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 皮膚科学分野 教授

要旨
 近年,スギ花粉症患者に呼吸器症状,消化器症状,咽頭症状,発熱なども見られることがよく知られ,スギ花粉症は全身性疾患の1つと考えられている.また,スギ花粉症の患者に合併して,スギ花粉が皮膚に接触することが原因と思われる,スギ花粉皮膚炎と呼ばれている皮膚症状が見られることがある.本稿では,主にスギ花粉皮膚炎の臨床的特徴,発症機序,治療法,予防法,アレルギー性接触皮膚炎との鑑別方法などの対応法に関して述べたい.

キーワード
スギ花粉 空気伝播性接触皮膚炎 アトピー性皮膚炎 花粉症

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第4章 治療
下気道症状への対処
藤村 政樹
    独立行政法人国立病院機構 七尾病院 院長

要旨
 咳喘息とアトピー咳嗽は,慢性乾性咳嗽を呈する二大原因疾患である.両疾患とも好酸球性下気道疾患であり,アレルギーが関与する.咳喘息の基本病態は,生理学的には気管支平滑筋収縮による咳嗽反応の亢進,病理学的には中枢から末梢までの好酸球性気道炎症である.アトピー咳嗽の基本病態は,生理学的には気道表層に分布する咳受容体の感受性亢進であり,病理学的には中枢気道に限局した好酸球性気道炎症である.

キーワード
慢性咳嗽 咳受容体感受性 気管支平滑筋収縮 メサコリン誘発咳嗽反応 カプサイシン誘発咳嗽反応

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第4章 治療
小児のアレルギー性鼻炎
永倉 俊和 
       用賀アレルギークリニック 院長
杉田 みゆき        のぞみ薬局

要旨
 小児におけるアレルギー性鼻炎は,日常診療では抗ヒスタミン薬が有効である.抗ヒスタミン薬は薬剤により適応年齢に差があり,選択には注意が必要である.スギ花粉症に対しては舌下免疫療法が保険適応になり,治療の幅が広がった.合併症としての後鼻漏の対策も重要である.

キーワード
小児のアレルギー性鼻炎 抗ヒスタミン薬 減感作療法 舌下減感作療法 後鼻漏

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第4章 治療
妊婦および授乳婦への対応
洲崎 春海
        昭和大学 名誉教授

要旨
 妊娠4ヵ月中頃までは,原則として薬物の投与は避ける.妊娠5ヵ月以降で薬物の投与が必要ならば,局所用薬を少量用いる.妊婦では米国食品医薬品局(FDA)やオーストラリア医薬品評価委員会(ADEC)の基準,授乳婦ではMedication and Mother's Milk 2014の基準に基づいて,薬剤を選択する.皮下免疫療法は妊婦への治療開始は禁忌であり,妊娠中は投与量や濃度を増やせないが,維持療法は施行可能である.舌下免疫療法は妊婦に行ってはならない.

キーワード
アレルギー性鼻炎 妊婦 授乳婦 治療

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第4章 治療
アレルギー性鼻炎患者のQOL
荻野 敏 
      大阪大学 名誉教授

要旨
 アレルギー性鼻炎・花粉症の領域においても,生活の質(QOL)を用いた研究は広く行われている.QOL調査票は,大きく疾患特異的なもの(JRQLQなど)と,疾患にかかわらず全般的な健康感を調査する疾患非特異的なもの(SF?36など)の2種類に分けられる.それぞれの利点欠点を十分理解し,そのうえでQOLと臨床症状や治療評価との関連を検討することにより,従来からの研究では不十分であった,全人的な治療法の検討にも有用な手段となっていくと思われる.
キーワード
アレルギー性鼻炎 花粉症 QOL JRQLQ SF-36

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第4章 治療
アレルギー性鼻炎治療の展望
山田 武千代
       秋田大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 教授

要旨
 病気を克服するために,患者の病態を精密に分類し,適合した治療法を選択する医療(プレシジョン・メディシン)の概念が存在するが,がんや糖尿病と同様に,アレルギー性鼻炎でも個別化情報を提供すべきである.治療予測因子の検索では,大規模な生物学的データベース,プロテオミクス,メタボロミクス,ゲノミクス,患者を特徴づける多様な細胞アッセイ,モバイルヘルス技術を駆使して,治療に対するエビデンスを構築する必要がある.
キーワード
プレシジョン・メディシン 個別化 予後予測因子 エンドタイプ

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コラム
秋の草本花粉飛散の現状
佐橋 紀男
      特定非営利活動法人 花粉情報協会 事務局長


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