要旨

最新醫學 診断と治療のABC 130
発達障害

第1章 概念と定義
発達障害の概念

船曳 康子   京都大学大学院人間・環境学研究科 共生人間学専攻 認知・行動科学講座身体機能論分野 准教授

要旨
発達障害の概念は,国や専門分野によって異なる場合があり,また診断体系の変化の影響も受けている.本稿においては,米国における支援用語から始まった,その用語の変遷に触れながら,今日の我が国での一般的な概念を中心に,精神疾患の診断・統計マニュアル第5版(DSM?5)による診断体系での扱い,またそのカテゴリー診断間の関連と重複,重症度の考え方について述べる.そして最後に,支援のための用語として再考する.

キーワード
自閉症 ADHD 学習障害

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第1章 概念と定義
ASDの概念

篠山 大明    信州大学医学部 精神医学教室 准教授  信州大学医学部附属病院 子どものこころ診療部

要旨
 自閉症の概念は,歴史と共に変遷を遂げている.スペクトラム概念が導入された現在も,自閉スペクトラム症(ASD)は,社会的コミュニケーションや限定された反復的な行動様式など,行動特性のみによって定義された概念である.その行動特性の背景には生物学的基盤の存在が想定されているが,詳しい機序は解明されていない.臨床像は多様で,カテゴライズすることが困難な概念であり,スペクトラムとしての理解が定着している.

キーワード
自閉症 自閉スペクトラム症 アスペルガー症候群 広汎性発達障害 神経発達症

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第1章 概念と定義
ADHDの概念

齊藤 卓弥      北海道大学大学院医学研究院 児童思春期精神医学分野 特任教授

要旨
 注意欠如・多動症(ADHD)は,1900年代初頭に現在のADHDにつながる概念が提案され,さまざまな変遷を経て,不注意,多動・衝動を中心とした小児期発症の慢性的な疾患という現在の概念に至っている.ADHDの概念の変遷を理解することでADHDの理解を深め,また,ADHDの概念の抱える問題点を理解することは,今後の臨床・研究における洞察につながるものと考える.

キーワード
ADHD 概念 DSM

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コラム
法制度における発達障害

日詰 正文      厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 障害児・発達障害者支援室 発達障害対策専門官

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第2章 疫学
ASDの疫学 -最近の有病率研究の動向-

土屋 賢治      浜松医科大学 子どものこころの発達研究センター 特任教授

要旨
 自閉スペクトラム症(ASD)の有病率研究を総括した.2000年以前の上昇傾向は,診断基準の変更と疾患概念の拡大に基づく,見かけ上のものと考えるのが妥当である.一方,2000年以降も上昇傾向が示されている.上昇傾向の理由として,小児精神神経疾患への関心の高まり,診断の低年齢化が重要であるが,真の増加傾向を反映している可能性も否定できない.

キーワード
自閉スペクトラム症 疫学 有病率 診断学

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第2章 疫学
ADHDの疫学 -最近注目のトピックスと有病率について-

中村 和彦    弘前大学大学院医学研究科 神経精神医学講座 教授

要旨
 大人になってから注意欠如・多動症(ADHD)が発症している可能性がある群として,新しく提案された大人のADHDに関する3報のバースコホートの研究論文を紹介する.いずれの論文についても,Connersらが述べているように,併存症など精神的,身体的な状況に派生するADHD様症状が十分に検討されていないと考える.やはり従来定義されているように,大人のADHDは,子どものときにADHDと診断され,その症状が程度の差こそあれ継続し,大人になってもADHDの診断基準を満たす群と考えるのが無難なように思われる.後半では子どものADHDと大人のADHDの有病率について報告する.

キーワード
注意欠如・多動症 大人のADHD 有病率 併存症 コホート研究

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コラム
グレーゾーンという診断閾下

神尾 陽子       国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 児童・思春期精神保健研究部 部長


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第3章 病態・遺伝要因と環境要因
ASDの病態・遺伝要因と環境要因
菊知 充 
     金沢大学 子どものこころの発達研究センター 教授

要旨
 世界中の神経科学者が自閉スペクトラム症(ASD)に注目するようになった.脳機能画像研究の蓄積により,最も説明しやすい病態として,脳のネットワークの異常が考えられている.遺伝子研究においても,イオンチャネルあるいはシナプス形成にかかわる遺伝子群に,自閉症関連遺伝子が数多く報告され,さまざまな遺伝子多型が,脳内ネットワーク形成に影響を及ぼしていると考えられるようになった.環境要因についても,近年の双生児研究によれば,ASDの遺伝率はかつて想定されていたよりも小さく,環境要因が無視できないことも明らかになってきた.そこで,正確に環境要因を評価する必要性が高まっている.環境要因の研究において,交絡因子を統制することに限界があり,また質の高い研究にも不足している.このような限界があるものの,本稿においては,環境要因と遺伝要因についての近年の報告を紹介したい.

キーワード
自閉スペクトラム症 遺伝要因 環境要因 メタ解析



第3章 病態・遺伝要因と環境要因
ADHDの病態・遺伝要因と環境要因
齊藤 卓弥
     北海道大学大学院医学研究院 児童思春期精神医学分野 特任教授

要旨
 注意欠如・多動症(ADHD)は,家族集積が見られ,環境要因と遺伝要因が組み合わされて発症すると考えられている.ADHDの病態としては,脳の機能的な障害,形態的な異常など,さまざまなバイオマーカーが示されてる.それに基づきさまざまな病態モデルが提案されているが,ADHDそのものがheterogeneousなものであり,単一のモデルでは説明が困難で,多数のモデルが提案されている.

キーワード
ADHD 病態 遺伝 実行機能 報酬系

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コラム
エピジェネティクス-子育て環境と遺伝子の架け橋-
久保田 健夫
     聖徳大学児童学部 教授


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コラム
バルプロ酸
中川 栄二
      国立精神・神経医療研究センター病院 小児神経科 外来部長


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コラム
ASDとワクチン仮説
宇野 洋太
    ハーバード大学マクリーン病院 Laboratory for Psychiatric and Molecular Neuroscience,McLean Hospital よこはま発達クリニック


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コラム
ASDの感覚特性と生活の中の音環境
高橋 秀俊
   国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 児童・思春期精神保健研究部 室長


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第4章 臨床的見立て
臨床場面で多い発達障害の合併を前提とした一般的な診断手続きの解説
船曳 康子
    京都大学大学院人間・環境学研究科 共生人間学専攻 認知・行動科学講座身体機能論分野 准教授

要旨
発達障害の一般的な診断手続きの留意点を解説する.各診断の基準や特徴については他稿に譲り,ここでは初診から診断までの流れや,特に留意されたい事項に焦点を当てる.実際の発達障害の臨床においては,学問的な典型例ではなく,種々の併存や二次障害が混在した状態が一般的であるうえに,ライフステージや環境によって見え方や困り方が異なることを踏まえ,また生涯にわたる二次障害の予防も見据えて,取り組む必要がある.

キーワード
発達要害 二次障害 スペクトラム 併存症

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第4章 臨床的見立て
2歳までのASD早期兆候と早期診断
神尾 陽子
  国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所児童・思春期精神保健研究部 部長

要旨
 自閉スペクトラム症(ASD)児の早期支援は,児の機能や生活の質(QOL)の向上につながり,そのためには,1歳半から2歳にかけてのASDスクリーニングは有用で,乳幼児健診やかかりつけ医の診療に取り入れることが望ましい.早期診断は多領域の専門家チームで行うのが理想的だが,専門機関への待機のために支援が遅れるのは避けるべきである.専門機関だけに集中するのではなく,地域内の情報共有と役割分担を明確にし,地域での対応力を高める時期に来ている.

キーワード
自閉スペクトラム症 発達障害 スクリーニング 早期診断 地域内連携

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第4章 臨床的見立て
神経発達障害に見られる睡眠問題とその臨床的意義
三島 和夫     国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 精神生理研究部 部長

要旨
 小児では,睡眠問題が高頻度に認められる.不眠,日中の強い眠気,覚醒困難,夜型の睡眠リズムなど,何らかの睡眠習慣上の問題を抱えている子どもは,4人に1人に達する.また,睡眠時無呼吸症候群や睡眠時驚愕症(いわゆる夜驚)など,睡眠?覚醒障害の併存も多い.神経発達障害の患児では,とりわけ睡眠問題の頻度が高い.これらの睡眠問題を抱える子どもでは,認知や感情の調節機能が影響を受け,精神行動上の変化が生じる.さらには,成人後の精神機能にも中長期的な影響を残す危険性が指摘されている.一方で,睡眠問題を解決することで,見かけ上重症化していた神経発達障害の中核症状が軽減し,社会生活機能が格段に向上することもある.本稿では,神経発達障害に見られる睡眠問題と,その臨床的意義に関する知見を紹介する.

キーワード
神経発達障害 自閉スペクトラム症 注意欠如・多動症 睡眠障害 睡眠習慣

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第4章 臨床的見立て
ひきこもりを伴う発達障害ケースに見られる不安・抑うつと治療・支援について
近藤 直司
    大正大学心理社会学部 臨床心理学科 教授

要旨
 まず,多義的に用いられる“ひきこもり”という用語の概念を整理する.次に,対人恐怖を始めとする不安・恐怖症状と抑うつ関連症状に加え,ひきこもりを伴う発達障害ケースに特徴的な不安・抑うつ症状について,また,それらの諸症状を把握することが難しいケースについて論じる.さらに,ひきこもりを伴う発達障害ケースの治療・支援として,導入,個人面接,グループ支援,そのほかの支援課題について述べる.

キーワード
対人恐怖 抑うつ 自閉スペクトラム症 精神療法 グループ支援

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第4章 臨床的見立て
思春期の摂食障害と発達障害 -神経性無食欲症と自閉スペクトラム症-
森野 百合子
    東京都立小児総合医療センター 児童・思春期精神科

要旨
 神経性無食欲症(AN)は,思春期に好発し女性に多い.一方自閉スペクトラム症(ASD)は若年のうちから症状を認め,男性に多い.ANとASDは一見対極にあるかのように見える疾患であるが,ASD患者もAN患者も柔軟性の欠如した思考・認知・行動パターンを示すことが知られており,神経心理学的類似性や合併例が多い.低体重のASD患者の場合にはANの合併の有無を,また難治のAN患者の場合にはASD特性の有無を検討することが,臨床的に重要であると考えられる.

キーワード
神経性無食欲症 自閉スペクトラム症 セット・シフティング セントラル・コヒアランス

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第4章 臨床的見立て
成人のうつ病と発達障害特性
秋山 剛 
    NTT東日本関東病院 精神神経科 部長
福田 真也    あつぎ心療クリニック
吉田 友子    子どもとおとなの心理学的医学教育研究所(iPEC)所長

要旨
 小児期には発達障害の診断基準を満たさず,不適応も目立たなかったが,成人後,学校という構造化された場を離れて就労し,業務上の負荷が高まったときに不適応が顕在化し,うつ状態を呈する事例が発生している.うつ状態のために就労後休職になる場合があり,復職を目指してリワークプログラムを受けた事例を紹介する.また,うつ病再発を回避するためのかかわりについて,自閉スペクトラム症特性を中心に述べる.

キーワード
自閉スペクトラム症 発達障害 就労 リワークプログラム 閾値下

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第4章 臨床的見立て
育児困難と母親の発達障害
立花 良之
    国立成育医療研究センター病院 こころの診療部 乳幼児メンタルヘルス診療科 医長

要旨
 母親が発達障害特性をもっていると,育児困難を生じることがある.本稿では,精神科臨床や母子保健の現場で遭遇しやすい,発達障害特性をもつ母親の育児困難について,自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如・多動症(ADHD)に焦点を当てる.アセスメントでは,発達障害特性を念頭に置きつつ,本人の精神症状,生活上の困難さ,本人の強み,家族状況などを総合的に把握し,対応するのが良いと考えられる.またハイリスクケースでは,養育不全や子どもへの感情の爆発の予防対応が必要となることもある.育児困難を来している発達障害特性をもつ母親の支援では,必要に応じてほかの職種と連携しながら,長期的な視野をもって母子を支援していくことが重要である.

キーワード
育児困難 母親 発達障害特性 養育不全 衝動性

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第4章 臨床的見立て
発達障害とてんかん
中川 栄二
    国立精神・神経医療研究センター病院 小児神経科 外来部長

要旨
 発達障害ではてんかんの併存率は高く,自閉スペクトラム症(ASD)で5?38%,注意欠如・多動症(ADHD)では12?17%にてんかんが併存する.ASDでは知的障害を伴うほど併存率が高く,発作は幼児期や思春期に発症しやすい.発達障害児では定型発達児と比べて睡眠障害の合併が多い.定型発達児の睡眠障害は26?32%であるが,ASDでは53?78%,ADHDでは25?50%に睡眠障害の報告がある.小児で明らかに睡眠時間が短く睡眠障害があるときは,常同行動,不安,注意力低下,攻撃性が増強する.発達障害を診察する場合には,睡眠の問題を適切に評価し,対応,治療を行うことが,子どもと家族の生活の質の向上につながる.

キーワード
発達障害 自閉スペクトラム症 注意欠如・多動症 てんかん 睡眠障害

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第4章 臨床的見立て
先天代謝異常と発達障害
三牧 正和
        帝京大学医学部 小児科学講座 主任教授

要旨
 先天代謝異常症には,乳幼児期に発症して精神発達に異常を来す疾患が数多くあり,その一部では自閉や多動傾向など,発達障害の特徴が前景に立つことがある.特に身体的特徴や神経合併症が乏しい疾患においては,意識して診療にあたり検査しなければ,診断に至らないことがあるので注意が必要である.治療可能な疾患もあるため,発達障害診療において,基礎疾患を見逃すことのないよう心がけることが大切である.

キーワード
発達障害 ASD ADHD LD 先天性代謝異常症

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コラム
発達障害児は児童虐待のリスクが高い
神尾 陽子
        国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所児童・思春期精神保健研究部 部長


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コラム
物質依存と発達障害の関係
松本 俊彦
        国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部 部長


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コラム
悩む発達障害の仕事支援
新開 隆弘
       産業医科大学医学部 精神医学教室 准教授


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コラム
かかりつけ医に期待される発達障害児の身体健康
外岡 資朗
        鹿児島県こども総合療育センター 所長

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第5章 治療・療育
ASDの問題行動および精神医学的併存症の治療
海老島 健
        国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所児童・思春期精神保健研究部
石飛 信        医療法人社団 東京愛成会 高月病院
高橋 秀俊       国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所児童・思春期精神保健研究部 室長
神尾 陽子       国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所児童・思春期精神保健研究部 部長

要旨
 自閉スペクトラム症(ASD)は,しばしば問題行動や精神医学的併存症を伴い,併存症の存在が社会参加を妨げる要因となっている.ASDに併存するこれらの問題は,家族や学校,保育所・幼稚園,職場などでかかわる人々から得た情報を統合して,包括的な評価を行うことで,治療可能な症状やその対応法が明らかになる.本稿では,ASDに併存する諸問題の診療の原則とよくある併存症について述べ,薬物治療を行う際の留意点など,現在の課題を整理する.

キーワード
自閉スペクトラム症 問題行動 精神医学的併存症 包括的評価 かかりつけ医

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第5章 治療・療育
ADHDの治療・支援
太田 豊作
        奈良県立医科大学医学部医学科 精神医学講座
飯田 順三       奈良県立医科大学医学部看護学科 人間発達学 教授

要旨
 注意欠如・多動症(ADHD)の治療・支援は,心理社会的治療・支援および薬物治療をバランスよく実施する.心理社会的治療・支援の基本となるのは,子どもへの心理社会的治療,親ガイダンスを含む親(家族)への心理社会的治療,学校などとの連携による環境調整であり,これらから治療・支援を開始し,薬物治療開始後も心理社会的治療・支援を並行して行う必要がある.薬物治療を行う際,併存症に着目した薬剤選択が合理的である.

キーワード
注意欠如・多動症 心理社会的治療・支援 環境調整 薬物治療 併存症

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コラム
ASDの早期療育・保護者へのガイダンス
平岩 幹男
        Rabbit Developmental Research 代表


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コラム
自閉スペクラムとともに生きるための支援としての診断説明
吉田 友子
        子どもとおとなの心理学的医学教育研究所(iPEC)所長


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コラム
地域医療と療育拠点との連携
外岡 資朗
        鹿児島県こども総合療育センター 所長


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コラム
小児科クリニックでできる発達障害の支援
金原 洋治
        医療法人社団 かねはら小児科 院長


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コラム
オキシトシン治療-期待できることと限界について-
小坂 浩隆
        福井大学 子どものこころの発達研究センター 情動認知発達研究部門 教授


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コラム
代替治療
内山 登紀夫
        大正大学心理社会学部 臨床心理学科 教授


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コラム
教育と医学が支える子どものメンタルヘルス -学校医として期待されること-
長尾 圭造
        長尾こころのクリニック 院長

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第6章 成人期への移行支援
小・中学校,高校そして大学での教育を支える校内の支援と校外の支援
笹森 洋樹
        独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所 発達障害教育推進センター
              上席総括研究員(兼)センター長

要旨
 発達障害などのある児童生徒などの支援は,小学校,中学校,高等学校そして大学における発達段階に,十分に配慮された体制を整備することが重要である.全職員の共通理解をもとに推進するとともに,地域の関係機関とも連携し,地域として教育を支える体制作りが必要である.そのためには,誰でもいつでも相談・支援が受けられる体制作りによって,相談すること自体のハードルを下げることが喫緊の課題である.

キーワード
発達障害 校内支援体制 地域資源の活用 自己理解 相談

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第6章 成人期への移行支援
発達障害成人のグループトレーニングの実践
五十嵐 美紀
     昭和大学発達障害医療研究所
横井 英樹      昭和大学発達障害医療研究所
小峰 洋子      昭和大学発達障害医療研究所
加藤 進昌      昭和大学発達障害医療研究所 所長   昭和大学附属烏山病院
             公益財団法人 神経研究所附属晴和病院

要旨
 成人発達障害の治療において,心理社会的治療の重要性が提唱されている.心理社会的治療ではデイケアの担う役割は大きい.昭和大学附属烏山病院では2008年から発達障害専門外来を開設し,デイケアにて発達障害専門プログラムを実施している.プログラムの治療効果に加え,治療構造,すなわち“グループ”を形成することに効果の高さを実感している.本稿では,発達障害専門プログラムの紹介とその効果,課題について述べる.

キーワード
成人 発達障害 心理社会的治療 プログラム グループ

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