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最新医学 59巻11号(通巻737号)

特集 がんの化学予防



「最新医学」11月特集は「がんの化学予防」です。悪性新生物が日本人の死因第1位になってから、ちょうど20年になります。この間、早期発見・早期治療の進歩によりがんの診療成績は向上しました。なかでも胃がんの死亡数の減少はこのような努力の賜物といえます。しかし、その一方で肺がん、大腸がん、肝がんは罹患者数、死亡者数とも増加し続けています。そこで今、診療面での努力に加え、発癌そのものを抑止あるいは予防する方策の開発が不可欠となっています。
近年、がんの2次予防(前がん病変を有するもの、初発がん治療後の再発・2次発がん予防)に該当する領域の発がん予防について信頼できる臨床試験成績がかなり蓄積されつつあります。それらの内でも実地応用が近いがん腫として頭頸部腫瘍、乳がん、肝がん、大腸がん、子宮頸部がん、前立腺がん、膀胱がんなどが挙げられるようになってきました  本特集では、がんの化学予防について基礎から臨床までの最新の情報について第一線の研究者が解り易く解説しています。特に、がんの発症に関与すると考えられている潜在菌やウイルスのがん発症に至るまでの解説や動物実験モデルによる有効性検証、がん予防薬としての化学物質(レチノイド、各種ビタミン、NSAIDs)、更には最近話題の緑茶成分(EGCG)の臨床研究の成果などが詳細に述べられています。また、後半部には各々のがん腫についての最新の研究成果が解説されています。
がんの化学予防の現状と今後の方向性を知る上で絶好の書です。是非お読み下さい。


論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論 岐阜大学 森脇 久隆 2367
[アプローチ]
がんの化学予防に思うこと 徳島文理大学 藤木 博太 2370
[化学予防の基礎]
がん化学予防-遺伝子多型との交互作用- 名古屋大学 浜島 信之 2377
緑茶-実用的ながん予防- 埼玉県立がんセンター 菅沼 雅美ほか 2382
レチノイド-がんの治療と予防薬としての展開- 東京医科歯科大学 影近 弘之 2390
動物実験によるスクリーニング 金沢医科大学 田中 卓二 2396
メカニズム-肝- 岐阜大学 奥野 正隆ほか 2403
胃がんの発症機構およびメチル化と食習慣との関連 東京医科歯科大学 湯浅 保仁 2409
[化学予防の臨床]
胃がんの化学予防 北海道大学 加藤 元嗣ほか 2415
大腸がんに対する化学予防の臨床 札幌医科大学 高山 哲治ほか 2424
肝臓がん 佐賀医科大学 水田 敏彦ほか 2431
成人T細胞白血病 鹿児島大学 園田 俊郎 2438
口腔がん 岐阜大学 柴田 敏之 2447
エッセー  
解剖学者が見たミケランジェロの彫刻(11)
初期の浮き彫り「ケンタウロスの闘い」
金沢医科大学 篠原 治道 2454
   
対談
細胞生物学・遺伝子生物学から見た医科学の展開(第20回) 東京大学 辻  省次 2459

(聞き手)

理化学研究所 豊島久真男
       
トピックス
マイナー組織適合性抗原の臨床応用 愛知県がんセンター 赤塚 美樹 2472
喫煙感受性遺伝子 北海道大学 別役 智子 2479

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