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最新医学 60巻4号(通巻743号)

特集 肝疾患研究の新たな展開



「最新医学」4月特集は「肝疾患研究の新たな展開」です。近年,生体部分肝移植の普及と肝炎ウイルスの研究の進展により肝臓病学は大きく変貌しています。特に昨年はウイルス性肝硬変や肝癌に対する生体部分肝移植やC型慢性肝炎に対するペグインターフェロンのリバビリン48週併用療法などが保健認可され、肝疾患治療に大きな進展が見られた年となりました。しかしその一方で現在の治療が複雑な肝臓病の患者さん全てに福音をもたらした訳ではありません。C型慢性肝炎では抗ウイルス薬が一定の治療効果が認められる様になった現在、より治療成績を向上するためには生体の遺伝的要因も考慮した個別化医療(Tailor/Order-Made Medicine)の確立が不可欠になります。また、「生活習慣病」に分類される非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などもこれからの肝疾患研究の新たな課題として浮上しています。現在、肝臓病学はHCVの発見以来の大きな転換期を迎えているといっても過言ではない状況となっています。
 本特集ではRNA干渉や樹状細胞ワクチンといった従来とは全く異なるアプローチによる肝疾患治療の試みや慢性的なドナー不足解決の光明となるバイオ人工肝、肝臓をターゲットにした実験モデルであるヒト肝細胞キメラマウスなど肝臓病学に関する興味深い13のテーマについて最先端の研究者に分かり易く解説して頂きました。
個別化医療と新規治療法の確立を目指した肝疾患研究の現状と今度の展開を知るために是非ご一読下さい。

論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論 埼玉医科大学 持田 智 763
[アプローチ]
肝疾患研究の動向
-個別化医療と新規治療法の展望-
埼玉医科大学 持田 智 765
[特集]
肝炎ウイルス・ハンティングの将来展望 東芝病院 三代 俊治 776
肝診療におけるcDNAマイクロアレイの応用 金沢大学 本多 政夫ほか 780
RNA干渉を応用したC性肝炎の治療 東京医科歯科大学 坂本 直哉ほか 791
樹状細胞ワクチンによる肝炎ウイルス感染予防 愛媛大学 古川 慎哉ほか 796
自己免疫性肝疾患
-機序はどこまで解明されたか
東京慈恵会医科大学 銭谷 幹男 804
非アルコール性脂肪性肝炎-脂肪肝を発症する遺伝子変異マウスを用いた機序の解明 秋田大学 渡邉 純夫ほか 812
肝繊維化の機構
-星細胞活性化分子機構のプロテオミクス解析-
大阪市立大学 河田 則文 825
HGFによる劇症肝炎の治療
-トランスレーショナルサーチの現況-
京都大学 井戸 章雄ほか 830
自己骨髄細胞を用いた肝臓再生療法 山口大学 坂井田 功ほか 837
バイオ人工肝:臨床応用への課題
-現状と開発研究の基本的事項-
ピッツバーグ大学 秋山 一郎ほか 842
非環式レチノイドによる肝発癌の化学予防 岐阜大学 森脇 久隆 850
ゲノム維持観点から目指す肝発癌予防・遅延薬の開発 (株)ジーンケア研究所 古市 泰宏 857
ヒト肝細胞のキメラマウス-医薬品開発への応用 広島県産業科学技術研究所 立野 知世 865
エッセー  
解剖学者がみたミケランジェロの彫刻(16)
十字架をもつキリスト
 2.キリストの裸体は何を主張するか?
金沢医科大学 篠原 治道 872
   
対談
生活習慣病の現状と未来(第1回)
意義ある人生と生活習慣病予防
聖路加国際病院 日野原 重明 876

(聞き手)

女子栄養大学 香川  靖雄
トピックス
造血と転写因子 自治医科大学 古川 雄祐  890
痴呆患者のコミュニケーション指標 国立長寿医療研究センター 武田 章敬ほか 899
ゲフィチニブと遺伝要因 名古屋市立大学 佐々木 秀文 904

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