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最新医学 60巻7号(通巻747号)

特集 内分泌代謝学の進歩-シグナル伝達と臨床応用



 「最新医学」7月特集は「内分泌代謝学の進歩-シグナル伝達と臨床応用-」です。1901年にアドレナリンが発見されて以来、これまでに多くのホルモンが同定されてきました。更に近年の分子生物学的手法の発達はこれまでの生化学的手法とは全く異なる概念を内分泌代謝学領域にもたらしその結果多くの生理活性物質が発見されています。実際これまで古典的概念では下垂体や甲状腺といった一部の臓器のみがホルモンを産生すると考えられていましたが、現在では脂肪組織をはじめ殆ど全ての臓器がさまざまな生理活性物質を分泌することにより全身の恒常性の調節を行っていることが明らかになっています。更に、グレリン・アドレノメジュリンといった新規ホルモンの発見においては日本人研究者は多大な貢献をしています。
 本特集では内分泌代謝学の最新の知見について国内第一線の研究者に解説して頂きました。特に基礎編では現在、創薬ターゲットとして世界中で関心を集めているオーファンGPCR研究の最新の情報やグレリンなどの生理活性物質による恒常性調節機構などについて第一線の研究者に詳しく解説して頂きました。一方、臨床については、前述のグレリン・アドレノメジュリンに加えて糖尿病研究において現在大変注目されているビスファチン・マスクリンなどについてもその臨床応用の可能性についてその発見者の先生方が詳しく解説しています。更に骨形成にかかわる生理活性物質と実際の疾患への治療計画についても最新の知見をご紹介して頂いています。
 内分泌代謝学について最新情報と今度の展開を知る絶好の書です。是非ご一読下さい。

論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論 神戸大学 千原 和夫 1513
[アプローチ]
内分泌代謝学のパラダイムシフト 神戸大学 高橋  裕 1515
[基礎]
オーファンGPCRからの創薬研究 国立循環器病センター 細田 洋司ほか 1521
グレリンのアシル化修飾機構と中鎖脂肪酸について 久留米大学 児島 将康 1528
SOCS3によるレプチンとインスリンシグナルの制御 九州大学 盛  裕之ほか 1537
核内ホルモン受容体による転写制御の分子機構 東京大学 加藤 茂明ほか 1547
転写因子の多重修飾制御機構
-リン酸化、ユビキチン化、アセチル化、脱アセチル化-
筑波大学 大徳 浩照ほか 1555
mTORシグナルの分子メカニズムと生理的役割 神戸大学 原  賢太ほか 1561
[応用]
グレリンの治療薬・診断薬への応用 京都大学 赤水 尚史ほか 1569
新規の末梢臓器由来分泌因子
-ビスファチンとマスクリン-
大阪大学 福原 淳範ほか 1574
食欲調節機構の破綻と疾患 神戸市立中央病院 小林 宏正ほか 1580
骨形成シグナルと骨粗鬆症治療 虎の門病院 竹内 靖博 1587
CNPによる軟膏肥大化作用の
軟骨無形成症治療への応用
京都大学 小松 弥郷ほか 1594
アドレノメデュリンの臨床応用 宮崎大学 北村 和雄 1600
クッシング病の薬物治療 高知大学 岩崎 泰正ほか 1606
エッセー  
解剖学者が見たミケランジェロの彫刻(19)
メディチ家廟 1.墓廟のプラン
金沢医科大学 篠原 治道 1612
対談
生活習慣病の現状と未来(第4回)
 高血圧の国際栄養学
WHO循環器疾患
専門委員
家森 幸男 1617

(聞き手)

女子栄養大学 香川 靖雄
トピックス
TNF阻害療法と日和見感染症 東京医科歯科大学 鉢谷 正祥  1631
PIVKAUは増殖因子か? 岡山大学 白羽 英則ほか 1639
心血管系ストレス応答の転写制御 東京大学 加田奈々絵ほか 1643

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