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最新医学 60巻8号(通巻748号)

特集 幹細胞生物学の新たな展開



 「最新医学」8月特集は「幹細胞生物学の新しい展開」です。近年、白血病をはじめとする造血器悪性疾患の治療方法として造血幹細胞移植が有効な手段となっています。これは幹細胞による再生医療が既に一般的な医療として日常的に利用されていることに他なりません。更に、骨髄移植後のレシピエントの体内で肝再生が認められたとする報告は幹細胞の新しい可能性を示し、新時代の医療への期待が大きく膨らみました。しかしこの現象については造血幹細胞と肝細胞との細胞融合がその機序の一つであるとの説が提唱されており、幹細胞の潜在能力の解明とその制御法の確立が再生医療実現の今後の大きな課題となっています。
 本特集では本編を「ES細胞の分化」、「骨髄幹細胞」、「幹細胞制御」、「新しい幹細胞源」の4つのカテゴリーに分類し、各テーマについて日本を代表する先生方に執筆をお願い致しました。最初に幹細胞そのものの基本的性質やその臨床応用について胎生期を起源とするES細胞や日常的に生体組織の維持、修復を担っている体性幹細胞、特に多様な幹細胞集団が分離されている骨髄幹細胞などについてそれぞれ詳しく解説して頂きました。次に、生体内で幹細胞の未分化性を維持し、更にその動態を制御している微少環境(幹細胞ニッチ)についても最新の知見を中心に解説して頂きました。特に、この分野は幹細胞の再生医療への応用を考える上で最も重要な課題の一つです。一方で、間葉系幹細胞は通常の骨髄のみならず羊膜や脂肪組織にも含まれていることが発見され、これらの組織が新たな間葉系幹細胞の供給源として注目されています。この領域について現在の研究成果について詳しくご紹介頂きました。
 21世紀の医療である再生医療を考える上で欠かすことの出来ない幹細胞生物学の最新情報と今度の展開を知る絶好の書です。是非ご一読下さい。

論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論:21世紀の幹細胞生物学 九州大学 赤司 浩一 1665
[アプローチ]
幹細胞の多様性
-体性幹細胞,ES細胞,mGS細胞-
京都大学 平家 俊男 1668
[ES細胞の分化]
ES細胞の長期自己複製能と腫瘍形成能 京都大学 山中 伸弥 1677
ES細胞の医療応用への可能性 理化学研究所 江良 択実ほか 1683
ES細胞の心筋分化と再生医学への技術開発 久留米大学 橋 知之ほか 1688
[骨髄幹細胞]
造血幹細胞 東京大学 辻 浩一郎 1695
骨髄由来間葉系幹細胞-癌化と培養条件- 国立成育医療センター 梅澤 明弘ほか 1701
Side Population細胞 慶應義塾大学 松崎 有未 1708
再生医学と生体多能性幹細胞 東海大学 六車 ゆかり 1717
[幹細胞制御]
幹細胞ニッチ 慶應義塾大学 新井 文用 1722
造血幹細胞のMobilizationとHomingの制御機構 東京大学 服部 浩一ほか 1732
幹細胞の自己複製メカニズム 千葉大学 岩間 厚志 1740
[新しい幹細胞源]
羊膜細胞の再生医学への応用 富山医科薬科大学 阿部 素典ほか 1747
脂肪組織由来幹細胞 日本医科大学 水野 博司 1755
エッセー  
解剖学者が見たミケランジェロの彫刻(20)
メディチ家廟 2.真に価値あるもの
金沢医科大学 篠原 治道 1760
対談
生活習慣病の現状と未来(第5回)
 健康寿命と介護予防
東北大学 辻  一郎 1764

(聞き手)

女子栄養大学 香川 靖雄
トピックス
アクアポリン 東京医科歯科大学 佐々木 成  1777
心臓の発生と再生 千葉大学 塩島 一朗ほか 1781

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