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最新医学 61巻2号(通巻755号)

特集 呼吸器感染症の脅威



 「最新医学」61巻2月特集は「呼吸器感染症の脅威」です。ヒトが生きていくためには呼吸により大量の空気を吸い込み大気中の酸素を体内に取り込む必要があります。従って、必然的に呼吸器は最も感染症に曝される器官となっています。  ところで、衛生状態の改善やペニシリンなどの抗生物質の発見は呼吸器感染症の死亡率を劇的に低下させることに成功しました。その為、呼吸器感染症が重要な疾患であるとの意識は薄れていました。しかし、近年になり呼吸器感染症で命を落とす患者数は増加しており、中でも65歳以上の高齢者が命を落とすケースが増加しています。
 更に2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)の世界的流行は交通手段の発達により致死的ウイルスの流行が急速かつ容易に世界中に拡散する事を示し、日本を始め多くの人々を震撼させました。また、高病原性トリ型インフルエンザのヒトへの感染報告など呼吸器感染症の脅威は増すばかりとなっています。
 本特集では、致死的な呼吸器感染症を引き起こす病原体についてのみならず薬剤耐性獲得により今後致死的な感染症になる可能性をはらんでいる感染症や非定型病原体のため薬剤選択を誤ると致死的な可能性のある感染症などについて第一人者に詳しく解説頂きました。  各病原体や呼吸器感染症の未来の臨床像を探る絶好の書です。是非ご一読下さい。

論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論 長崎大学 河野 茂 189
[アプローチ]
呼吸器感染症に伴う致死的病態 大阪大学 橋本 章司ほか 191
[ウイルス性疾患]
今の鳥インフルエンザの流行は新型インフルエンザ・パンデミックの前兆か? 東京大学 藤井  毅 199
SARSの再燃はあるのか 国立国際医療センター 川名 明彦 206
成人のRSウイルス感染症 長崎大学 松瀬 厚人ほか 211
[細菌性疾患]
肺炎球菌の耐性化はどこまで進むのか? 琉球大学 健山 正男ほか 216
緑膿菌の耐性化に対する対処法はあるのか? 長崎大学 平潟 洋一 224
[非定型病原体]
マイコプラズマの病原因子と炎症 札幌医科大学 田中 裕士ほか 230
Q熱コクシエラは市中感染するのか? 坂総合病院 高橋  洋ほか 238
レジオネラはどうやってヒトの細胞の中で生き延びるのか? 佐賀大学 宮本 比呂志 244
[好酸菌]
結核化学療法の今後は明るいか? 島根大学 冨岡 治明ほか 249
肺非結核性好酸菌症は増加している
-臨床からみた病原性と宿主要因の考察-
近畿中央胸部疾患センター 鈴木 克洋 258
[真菌]
肺アスペルギルス症の病態と病原因子 大阪赤十字病院 網谷 良一 266
ニューモシスティス肺炎はなぜ起るのか 富山医科薬科大学 安岡 彰 273
エッセー  
白血病医の御礼奉公(2)
臍帯血移植と臍帯血バンク
大阪府立成人病センター 正岡  徹 280
対談
生活習慣病の現状と未来(第11回)
 健康日本21の成果
国立保健医療科学院 長谷川敏彦 283

(聞き手)

女子栄養大学 香川 靖雄
トピックス
IL-10発現AAVベクターを用いた新血管病変の遺伝子治療 自治医科大学 岡田 尚巳ほか 297
特報
第42回 ベルツ賞受賞論文:
COPD:病態形成機序の解明と治療法の開発
東京女子医科大学 永井 厚志ほか 306

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