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最新医学 61巻3号(通巻756号)
特集 難治性貧血 -分子病態と治療戦略-
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![]() 「最新医学」61巻3月特集は「難治性貧血-分子病態と治療戦略-」です。 特発性造血障害疾患(難治性貧血)には「骨髄不全症候群」と「慢性溶血性貧血」などがあり、前者には再生不良性貧血(AA)・骨髄異形成症候群(MDS)・発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)などが含まれ、後者には自己免疫性溶血(AIHA)などが含まれます。今年は「特発性造血障害に関する調査研究」班が活動開始から30年を迎えた事もあり、この分野での最新の知見を中心にそれぞれの領域の第一人者に詳しく解説して頂きました。 特に従来、有効な治療薬はあまりなかったMDSに対しては様々な新規治療薬の開発が進んでおり、その作用機序と関連づけながら臨床治験が活発に行われるようになっています。今回、研究班が作成したMDS診療ガイドラインの解説や病態・遺伝子解析の結果など詳しくご紹介頂きました。更に、PNHの最新の診療ガイドライン、小児の難治性貧血、輸血後鉄過剰症に対する経口鉄キレート薬の開発や造血幹細胞移植の現状などについても第一線でご活躍されている先生方に詳しくご紹介頂きました。 難治性貧血に関する研究の進歩と新しい治療法の発展を理解する絶好の書です。是非ご一読下さい。 |
論文題名 |
著者所属 |
著者名 |
通巻頁 |
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序論 | 自治医科大学 | 小澤 敬也 | 351 |
[アプローチ] | |||
難治性貧血の病態と治療−最近の進歩− | 自治医科大学 | 小澤 敬也 | 353 |
[総論] | |||
再生不良性貧血の診断と治療 | 金沢大学 | 中尾 眞二 | 361 |
慢性赤芽球癆 | 秋田大学 | 廣川 誠ほか | 368 |
骨髄異形成症候群診療ガイド | 京都大学 | 内山 卓ほか | 375 |
骨髄異形成症候群の分子病態 | 獨協医科大学 | 三谷 絹子 | 389 |
骨髄異形成症候群のゲノム解析 | 東京大学 | 小川 誠司 | 396 |
骨髄異形成症候群に対する新規治療法 | 長崎大学 | 宮崎 泰司ほか | 406 |
発作性夜間ヘモグロビン尿症 | デューク大学 | 西村 純一ほか | 413 |
自己免疫性溶血性貧血 | 自治医科大学 | 亀崎 豊実ほか | 420 |
原発性(特発性)骨髄線維症 | 九州大学 | 下田 和哉ほか | 430 |
二次性貧血 | 名古屋大学 | 村手 隆 | 439 |
小児の難治性貧血 | 京都大学 | 中畑 龍俊 | 444 |
輸血後鉄過剰症と経口鉄キレート剤 | 自治医科大学 | 高徳 正昭 | 453 |
難治性貧血に対する造血幹細胞移植 | 慶應義塾大学 | 岡本 真一郎 | 458 |
エッセー | |||
白血病医の御礼奉公(3) 発熱性好中球減少症 |
大阪府立成人病センター | 正岡 徹 | 466 |
対談 | |||
生活習慣病の現状と未来(第12回) 遺伝子解析と倫理 |
早稲田大学 | 木村 利人 | 469 |
(聞き手) |
女子栄養大学 | 香川 靖雄 | |
トピックス | |||
気管支喘息におけるマトリックスメタロプロテアーゼファミリーの役割 | 川崎医科大学 | 尾長谷 靖ほか | 485 |
特報 | |||
第42回 ベルツ賞: 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の克服を目指して −病因・病態に関する基礎的・臨床的統合研究- |
北海道大学 | 西村 正治ほか | 492 |