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最新医学 61巻7号(通巻762号)

特集 糖尿病の再生医療   



 「最新医学」61巻7月特集は「糖尿病の再生医学-膵β細胞再生の基礎と臨床-」です。
 糖尿病は血糖制御の破綻による慢性の高血糖状態であり、様々な合併症が出現する全身性の代謝疾患です。その血糖制御の中心となるのは膵β細胞によるインスリンの分泌と末梢組織におけるインスリン作用です。わが国では肥満を伴わないインスリン分泌不全を主体とする糖尿病患者が多いことが特徴となっており、これまでインスリン欠乏状態の患者の治療にはインスリン治療が行われていました。しかしながら、血糖値を生理的範囲内で制御することは不可能なため根治治療にはなり得ていませんでした。一方、血糖のコントロールの難しい糖尿病に対して膵臓移植・膵島移植による治療は大きな成果を上げていますがドナー確保の問題などがあります。現在、これらに代わる治療として幹細胞から誘導した再生膵β細胞による移植治療が非常に注目されています。
 本特集では、その膵β細胞の再生医学の基礎研究と臨床応用への展望に焦点をあて、膵β細胞研究の最前線でご活躍されている先生方に詳しく解説して頂きました。
 糖尿病治療の今後の方向性を理解する絶好の書です。是非ご一読下さい。

論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論 神戸大学 清野  進 1459
アプローチ 神戸大学 清野  進 1461
[基礎]
胚性幹細胞における自己複製能と多分化能 理化学研究所 中武 悠樹ほか 1468
胚性幹細胞からインスリン産生細胞
への分化誘導
大阪大学 宮崎 早月ほか 1474
膵臓における組織幹細胞の分離・同定 横浜市立大学 谷口 英樹ほか 1482
神経幹細胞の可塑性を利用した
インスリン産生細胞の分化誘導
神戸大学 堀  裕一 1489
膵腺房細胞の分化転換による
インスリン分泌細胞の誘導
京都大学 南 幸太郎ほか 1496
Protein Transductionによる
インスリン分泌細胞の分化誘導
名古屋大学 野口 洋文 1503
膵β細胞自己複製系としての
Reg-Reg受容体系
東北大学 高沢  伸ほか 1507
内在性膵幹細胞の賦活化 群馬大学 山田 聡子ほか 1515
[臨床応用]
ヒト膵β細胞株の樹立とバイオ人工膵臓
開発への応用
岡山大学 小林 直哉 1521
膵島移植 藤田保健衛生大学 松本 慎一 1529
膵臓移植の現況 神戸大学 鈴木 康之ほか 1534
膵島移植における免疫制御 福岡大学 安波 洋一ほか 1540
バイオ人工膵臓の開発の現況 京都大学 山口歌奈子ほか 1547
エッセー  
白血病医の御礼奉公(7)
囲碁梁山泊
大阪府立成人病センター 正岡  徹 1554
対談
生活習慣病の現状と未来(第16回)
 日本の医療と生活習慣病対策
日本学術会議 黒川  清 1557

(聞き手)

女子栄養大学 香川 靖雄
トピックス
Notchシグナルと免疫制御 東京大学 千葉  滋 1570
本邦における医師主導の臨床研究 国立がんセンター 藤原 康弘 1577
総説
摂食、ストレス調節における
ニューロペプチドWの役割
香川県立保健医療大学 新見 道夫 1584

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