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最新医学 61巻8号(通巻763号)

特集 循環器疾患と抗凝固療法 -最近の話題- 



  「最新医学」61巻8月特集は「循環器疾患と抗凝固療法-最近の話題-」です。
 我が国では社会の高齢化に伴い心筋梗塞、脳梗塞、肺血栓性塞栓症などの血栓性疾患による死亡率が増加しています。抗凝固療法とはこれらの原因となる止血システムを制御する事により血栓性疾患の発症リスクを低下させようとするものです。
 現在、治療に用いられる抗凝固薬としては経静脈的に投与するヘパリン、経口投与のワルファリンなどがあります。しかしそれらの薬剤は作用が強力な反面、投与量と効果の関係が変動し易く重篤な出血性合併症を起こす可能性もあるため適切な薬剤モニタリングを必要とします。更にこれらの薬剤の有効性・安全性の臨床研究はほとんどが欧米人を中心に行われており、日本人でのエビデンスの報告が少ない事も抗凝固療法の問題として指摘されています。
 本特集では各種疾患における抗凝固療法の実態については「心房細動と脳血管塞栓症」「冠動脈疾患・深部静脈血栓症」の項で、また出血を中心とする安全性の問題点については「抗凝固療法の安全性をめぐる諸問題」の項で、近未来の抗凝固療法のあり方については「将来展望・遺伝子的背景」の項でそれぞれ国内の第一線で活躍されている先生方が詳しく解説しています。
 食の欧米化や高度高齢化社会を迎え今後益々増加が予想される血栓性疾患に対する抗凝固療法の現状と問題点、更に今後の方向性を理解する絶好の書です。是非ご一読下さい。

論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論 東海大学 後藤 信哉 1601
[アプローチ]
現代日本における抗凝固療法の必要性 東海大学 後藤 信哉 1603
[心房細動と脳血栓塞栓症]
心房細動時の左房内血栓と脳血栓塞栓症の発症予防における抗凝固療法のエビデンス 国立病院機構大阪医療センター 是恒 之宏 1609
本邦における心房細動例の塞栓症リスク層別化と抗凝固療法の薬効評価 富山大学 平井 忠和ほか 1615
心原性脳血栓塞栓症における急性期抗凝固療法の意義とその臨床効果 東京女子医科大学 内山 真一郎 1621
[冠動脈疾患,深部静脈血栓症]
冠動脈インターベンション治療時の未分画ヘパリンを超える新たな抗凝固療法 東海大学 河村 洋太 1626
心筋梗塞の発症における凝固系の関与と病理像から見た抗凝固療法のポテンシャル 宮崎大学 佐藤 勇一郎ほか 1631
本邦では深部静脈血栓症の発症予防をどう行うか?
-日本人の予防と治療における抗凝固治療の考え方-
三重大学 中村 真潮ほか 1636
[抗凝固療法の安全性をめぐる諸問題]
内視鏡的治療時における抗血栓療法症例への対応 県立がんセンター新潟病院 小越 和栄 1643
ワルファリンの薬効を規定する遺伝子
-特に日本人の特徴について-
明治薬科大学 高橋 晴美 1650
ワルファリンと食事、薬物の相互作用 鹿児島大学 丸山 征郎 1656
抗凝固療法の薬効を反映する新たなバイオマーカー 三重大学 和田 和夫ほか 1661
経静脈的抗凝固薬はどう進化したのか?
-未分画ヘパリンから低分子ヘパリン、ペンタサッカライド、選択的凝固因子阻害薬まで-
国立病院機構神奈川病院 吉田 美奈子 1669
[将来展望、遺伝的背景]
ワルファリンを超える新たな経口抗凝固薬の開発は可能か?
-経口抗トロンビン薬、経口抗Xa薬への期待-
東海大学 後藤 信哉 1676
本邦に潜在的な凝固異常はどのくらいいるのか
‐遺伝子調査の経験から-
国立循環器病センター 宮田 敏行 1683
エッセー  
白血病医の御礼奉公(8)
裁判の鑑定
大阪府立成人病センター 正岡  徹 1690
対談
生活習慣病の現状と未来(第17回)
 糖尿病1千万人時代の栄養
関西電力病院 清野  裕 1695

(聞き手)

女子栄養大学 香川 靖雄
トピックス
心房細動とメガトライアル 心臓血管研究所 山下 武志 1706
慢性閉塞性肺疾患発症のメカニズム 北海道大学 別役 智子 1712

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