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最新医学 62巻11号(通巻782号)

特集 ABCタンパク質の基礎と臨床


  「最新医学」62巻11月特集は「ABCタンパク質の基礎と臨床」です。
 ATP-binding cassette(ABC)は種を超えて保存性の高いATP結合領域を有し、ATPの結合あるいは加水分解によりその機能が制御されています。一方、ABCタンパク質はバクテリアからヒトまで広範囲にその存在が認められており、これまで500種類以上の遺伝子が同定されています。 更にABCタンパク質の主な機能にはトランスポーター型、チャネル型、レギュレーター型の3種類があり、最近ではそれらの異常により様々な疾患を起こしうることが明らかになっています。
 本特集ではABCタンパク質の機能について個体維持・疾患・薬物動態の3つの観点から国内の第一線で活躍されている研究者が詳しく解説しています。中でもHDL代謝異常やサーファクタント欠損症、魚鱗癬、胆汁うっ滞、副腎白質ジストロフィー、低血糖など疾患とABCタンパク質の異常について最新の情報を紹介しています。更に、臨床の現場で問題となる抗癌剤の耐性についてその排出機構として働くMRP,MDRなどのABCファミリーについても詳しくご紹介頂きました。
 ABCタンパク質の個体における役割などの基礎研究から実際の臨床の現場での関連などABCタンパク質に関する最新情報をまとめた一冊になっています。 是非ご一読下さい。

論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論 神戸大学 清野 進 2431
[アプローチ]
ABCタンパク質と個体維持機構
-機能から疾患まで-
京都大学 稲垣 暢也 2433
[ABCタンパク質と個体維持機構]
バクテリアエンベロープの形成・機構とABCトランスポーター 東京大学 徳田 元 2439
植物の個体維持機構とABCタンパク質 京都大学 矢崎 一史 2447
脳関門におけるABCトランスポーターの働きと疾患治療 東北大学 寺崎 哲也 2454
脂質恒常性に関与するABCタンパク質の基質認識機構 京都大学 木村 泰久ほか 2461
[ABCタンパク質の異常と疾患]
コレステロール代謝異常とABCA1
-タンジール病-
名古屋市立大学 横山 信治 2467
肺疾患とABCA3 -サーファクタント欠損症- 京都大学 松村 欣宏ほか 2475
皮膚疾患とABCA12 -魚鱗癬- 北海道大学 秋山 真志 2482
ABCタンパク質による胆汁脂質分泌と遺伝性疾患 東京大学 田 龍平ほか 2489
ペルオキシソームのABCタンパク質と副腎白質ジストロフィー 富山大学 今中 常雄ほか 2494
血糖調節にかかわるSUR1 -低血糖症と糖尿病- 京都大学 長嶋 一昭ほか 2502
耳垢決定遺伝子としてのABCトランスポーター遺伝子(ABCC11) 北海道医療大学 新川 詔夫 2509
[ABCタンパク質と薬物動態]
薬物体内動態おけるABCタンパク質の役割
-MRP3とMRP4-
東京大学 北村 嘉章ほか 2516
癌化学療法におけるABCタンパク質
-ABCB1とABCG2-
共立薬科大学 杉本 芳一 2528
エッセー  
白血病医の御礼奉公(23)
 
血液疾患合併感染症対策の歩み
大阪府立成人病センター 正岡  徹 2534
対談
脳とこころの科学と医療(第8回)
 ヒトの脳とこころの発達
東京大学 多賀 厳太郎 2538

(聞き手)

国立精神・神経センター 金澤 一郎
トピックス
Diastolic Heart Failture 山口大学 村田 和也 2545
新しい結核ワクチンの新展開 近畿中央胸部疾患センター 岡田 全司 2551

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