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最新医学 63巻1号(通巻784号)

特集 肺癌分子標的療法 -最近の展開-



 「最新医学」63巻1月特集は「肺癌分子標的療法−最近の展開−」です。
 肺癌は、現在日本人の癌死亡原因の第1位であり、その死亡者数は年間6万人を超え増加しており、難治癌の代表的疾患となっています。
 一方で、肺癌に対する殺細胞性の抗悪性腫瘍薬の治療には一定以上の効果が認められなくなる中で、それに代わる新しい治療法の出現に期待がかけられています。
 癌に対する分子標的療法については慢性骨髄性白血病に対するイマチニブの劇的な効果もあり、肺癌についてもEGFR-TKIによる分子標的療法が大変期待をされ臨床試験が進められました。しかしながら世界中で様々な検討がなされていますが当初の予想に反して必ずしも好ましいものではない結果も多く報告されています。
 本特集では現在臨床成績が集まりつつあるEGFR-TKIであるゲフェチニブの効果及び、有害事象の予測因子について国内の肺癌治療の最前線でご活躍されている先生方にご解説頂きました。
 更に最近臨床評価が進めれられている抗EGFR抗体やVEGF抗体、複数の分子標的薬を組み合わせた治療成績、有害事象のハイリスクを予見するバイオマーカー研究、肺癌遺伝子治療や免疫療法などについても国内屈指の先生方に詳しく紹介していただいています。
 肺癌治療を考える上でもはや欠かすことの出来ない分子標的療法に関しての現状や将来的な展望について網羅された一冊です。是非ご一読下さい。

論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論 国立がんセンター東病院 西條 長宏 5
[アプローチ]
アプローチ 国立がんセンター東病院 西條 長宏 6
[各論]
EGFR-TKI(ゲフィチニブ、エルロチニブ)の基礎
-効果,副作用規程因子-
愛知県がんセンター 片岡 達也ほか 14
EGFR-TKI(ゲフィチニブ、エルロチニブ)の臨床
-臨床試験の動向-
国立がんセンター東病院 仁保 誠治 22
抗EGFR抗体による抗腫瘍効果
-EGFR-TKIとの作用機序の違い-
近畿大学 吉田 健史ほか 28
抗EGFR抗体の非小細胞性肺癌における臨床動向-セツキシマブを中心に- 静岡がんセンター 田宮 朗裕ほか 37
血管新生阻害薬の作用機序と臨床開発
-抗VEGF抗体・VEGF trap・VEGF-TKIなど-
北海道大学 竹内  啓ほか 45
抗VEGF抗体(ベバシズマブ)の臨床効果・副作用 国立がんセンター 棚井 千春 51
多標的分子標的治療の可能性 岡山大学 木浦 勝行ほか 57
肺癌分子標的治療のバイオマーカー 近畿大学 西尾 和人 64
切除不能局所進行非小細胞癌に対する分子標的治療の現状-胸部放射線療法との併用- 国立がんセンター 引野 幸司ほか 69
小細胞肺癌と分子標的治療 九州がんセンター 瀬戸 貴司 74
肺癌の遺伝子治療 九州大学 山 浩一ほか 81
肺癌の免疫療法の現状と展望 慶應義塾大学 河上  裕 86
分子標的治療臨床試験の方法論 国立がんセンター 山本 精一郎 92
エッセー  
代謝病の周辺(1)
「メタボ」論議の一つのポイント
大阪大学名誉教授 垂井 清一郎 100
対談
脳とこころの科学と医療(第10回)
 心理学から見た脳
埼玉工業大学 二木 宏明 103

(聞き手)

国立精神・神経センター 金澤 一郎
トピックス
重症拡張型心筋症に対する免疫吸着療法 慶應義塾大学 吉川 勉 110
特報 第44回ベルツ賞受賞論文: 
分子イメージング研究による創薬・疾患診断の革新 理化学研究所神戸研究所 渡辺 恭良ほか 116

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