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最新医学 63巻7号(通巻791号)

特集   脳梗塞急性期治療
      
―t-PA静注療法―



 「最新医学」63巻7月特集は「脳梗塞急性期治療−t-PA静注療法−」です。
 脳梗塞急性期医療で世界の標準から大きく遅れを取っていたわが国で組織プラスミノーゲンアクチベーター(t−PA)静注療法が発症後3時間以内の脳梗塞に適用承認されて3年が経過しました。
 t-PA静注療法は薬剤を点滴静注するだけの誰でも出来る単純な治療法で、適格基準を尊守して使用すれば劇的な効果が得られる可能性がある半面、適格基準を逸脱して使用すると重篤な頭蓋内出血を招くことから実際にt‐PA静注療法を行えるのは全脳梗塞患者の数%しかいません。
 更に、静注療法は発症後3時間以内の脳梗塞にしか適応がなく、時間内に緊急CTや各種血液検査などを完了するためには発症から2時間以内にt−PA治療可能な病院へ搬送する必要があり治療可能時間枠(theraputic time window)が非常に狭い治療といわざるを得ません。
 本特集では脳梗塞急性期治療の最前線でご活躍されている先生方にt-PA静注療法について治療のトリアージ、CT・MRIを用いた脳梗塞の診断方法、重症度評価の問題点、脳卒中ケアユニットの設置基準と実際の運用t-PA静注療法のリスクとベネフィット、そして超音波を用いた新しい血栓溶解方法などについて詳しく解説頂きました。
 この1冊でわが国の脳梗塞急性期治療の現状と問題点が全てわかる内容となっています。是非ご覧下さい。

論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論 東京女子医科大学 内山 真一郎 1389
[アプローチ]
rt-PA静注療法の現状と問題 国立循環器病センター 山口 武典 1391
[各論]
血栓溶解薬開発の現状と展望 近畿大学 上嶋  繁ほか 1399
ブレインアタック・キャンペーン
-脳卒中発症時の早期症状認識、救急対応を促すための市民啓発活動-
日本脳卒中協会 中山 博文 1406
t-PA静注療法のためのトリアージ 美原記念病院 門脇 太郎ほか 1412
rt-PA静注療法とEarly CT Fingings 九州医療センター 岡田 靖 1419
CT・MRIによる虚血領域の評価 荏原病院 長尾 毅彦ほか 1427
Multimodal MRIによる虚血性ペナンブラの評価 中村記念病院 中川原 譲二 1435
Clinical Diffusion MismatchとClinical CT Mismatch 戸田中央総合病院 鄭 秀明 1442
NIHSSによる重症度の評価と問題点 東北大学 森 悦郎 1446
t-PA静注療法と脳卒中ケアユニット 聖マリアンナ医科大学 長谷川 泰弘 1454
t-PA静注療法のリスクベネフィット 慶應義塾大学 星野 晴彦 1461
t-PA静注療法時の超音波モニター 川崎医科大学 井口 保之ほか 1468
超音波による血栓溶解 東京慈恵会医科大学 古幡 博 1476
血栓溶解療法の展望 国立循環器病センター 峰松 一夫 1489
エッセー  
代謝病の周辺(7)
血糖としてのD-グルコースの特殊性
3.グルコースとトレハロースの対比
大阪大学名誉教授 垂井 清一郎 1496
対談
脳とこころの科学と医療(第16回)
 アルツハイマー病は予防できるか
筑波大学 朝田 隆 1500

(聞き手)

国立精神・神経センター 金澤 一郎
トピックス
タンパク尿:podocyte(足細胞)異常とアルドステロン 東京大学 長瀬 美樹 1507
Nesfatin-1:摂食抑制分子の発見 群馬大学 森 昌朋ほか 1513

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