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最新医学 63巻10号(通巻795号)

特集 大きく変わる肥満症のとらえ方
    
−摂食とエネルギー消費のバランス機構−


 「最新医学」63巻10月特集は「大きく変わる肥満症のとらえ方」です。
 肥満症はエネルギーの摂取と消費のバランスが異常を来し過剰な脂肪が蓄積される事により発症します。その修正には食事療法と運動療法が主要な治療手段となりますが、それを実践・遂行するのは容易なことではありません。なぜ、肥満症の治療が困難なのか、またどのような治療戦略が有効かを明らかにする為には食行動やエネルギー代謝を調節する中枢神経メカニズムを理解する必要があります。
 1994年に肥満遺伝子産物として発見されたレプチンの発見以降、食行動調節作用を有する新規ペプチドやその受容体の発見が相次ぎ、種々の神経ペプチドとその受容体で構成される神経ネットワークの解明が進みました。 
 更に、脂肪酸代謝物が視床下部において食行動や、抹消糖代謝の中枢性調節に重要な役割を果たしていることやAMPK, mTORなどがエネルギーや糖代謝の恒常性維持に寄与している事も判明し、エネルギー代謝調節を理解するには多面的な関係を整理・理解する必要が生じました。
 本特集では食行動やエネルギー代謝調節の神経機構について、中枢からのアプローチ、抹消からのアプローチ、それらのクロストークと3方向からそれぞれの領域の第一人者の先生方に詳しく解説頂きました。これ一冊で肥満研究に関する最新の成果がご理解いただけます。是非ご覧下さい。

論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論 大分大学 吉松 博信 2003
[アプローチ]
肥満症と食行動・エネルギー代謝調節機構 大分大学 吉松 博信 2005
[中枢からのアプローチ]
Nesfatin-1の新たな展開 群馬大学 清水 弘行ほか 2016
AMPKと摂食調節 生理学研究所 岡本 士毅ほか 2021
神経ヒスタミンとエネルギー代謝調節 大分大学 正木 孝幸ほか 2029
摂食調節におけるFoxO1の役割 群馬大学 北村 忠弘 2033
[末梢からのアプローチ]
脂肪細胞の肥大化と過形成 近畿大学 阪上 浩 2042
脂肪細胞と炎症 東京医科歯科大学 豊田 拓矢ほか 2050
アディポネクチンとアディポネクチン受容体 東京大学 山内 敏正ほか 2058
アディポステロイドとストレス性肥満、脂肪組織の炎症 京都大学 益崎 裕章ほか 2070
エネルギー代謝調節におけるPPARファミリーの役割 筑波大学 島野 仁 2078
性ステロイドと肥満 九州大学 柳瀬 俊彦 2085
[中枢と末梢のクロストーク]
エネルギー代謝調節の中枢−末梢のクロストーク 東北大学 山田 哲也ほか 2093
求心性神経を介する食行動調節情報 宮崎大学 伊達  紫 2102
レプチンの生理作用に関する新たな知見 大分大学 加隈 哲也 2109
エッセー  
代謝病とその周辺(10)
医学思想としての「扶氏医戒」
大阪大学名誉教授 垂井 清一郎 2116
対談
脳とこころの科学と医療(第19回)
脳神経外科の今と昔
国際医療センター 桐野 高明 2120

(聞き手)

国立精神・神経センター 金澤 一郎
トピックス
スタートした特定健診-生活習慣病と医療費- 三洋電機健康管理センター 日高 秀樹 2127
肺胞タンパク症-10年間の進歩- 新潟大学 中田  光 2133

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