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最新医学 64巻2号(通巻800号)

特集 糖尿病治療のUp To Date



「最新医学」64巻2月特集は「糖尿病治療のUp-to-Date」です。
 インクレチンとは小腸上部に存在するK細胞から分泌されるGIP(gastric inihibitory polypeptide)と小腸下部のL細胞より分泌されるGLP(glucagon-like peptide)の二つの消化管ホルモンのことで、栄養摂取後に分泌され、膵臓からのインスリン分泌を増強させる作用があります。更にインクレチンにはインスリン分泌促進作用の他に膵β細胞自体の数を増やす作用、体重・食欲の抑制作用や心血管保護作用など様々な膵外作用もあることが近年の研究成果により判明しています。
 ところで、欧米人に比べて軽度な肥満でも糖尿病を発症し易い日本人の2型糖尿病患者数は食の欧米化に伴い年々増加の一途を辿っており、これまでの血糖コントロールを中心とした治療に加えて新しい治療法の確立が焦眉の問題となっています。
 本特集ではインクレチンを中心とした新しい糖尿病治療法について臨床の第一線でご活躍されている先生方に詳しくご解説頂きました。またインクレチン関連薬以外にも膵島移植、異種移植などの新たな糖尿病治療法や肥満抑制などについても国内外で画期的な研究をされている先生方にその研究成果の一部をご紹介頂きました。
 血糖コントロールなどによる合併症の発症進展阻止を目的とした従来の治療(care)からよりインスリン分泌促進などより積極的な治療(cure)への転換期を迎えた糖尿病治療についてご専門の先生方は勿論のこと、これから専門医を目指す若い先生方にも是非お読み頂きたい一冊です。

論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論 秋田大学 山田 祐一郎 163
[アプローチ]
インクレチン治療の多面性
-血糖コントロールを超えて-
秋田大学 成田 琢磨 165
[インクレチン関連薬]
インクレチン関連薬の基礎 秋田大学 山田 祐一郎 171
インクレチンミメテクスとインクレチンエンハンサーの臨床成績 東京慈恵会医科大学 根本 昌実ほか 176
[膵β細胞を増やす]
糖尿病治療における膵β細胞数の意義 杏林大学 勝田 秀紀ほか 185
インクレチンによる膵β細胞増殖 大阪大学 金藤 秀明ほか 192
グルコキナーゼ活性化と膵β細胞増殖 横浜市立大学 中村 昭伸ほか 196
膵島移植の現状と展望 東北大学 後藤 昌史 203
ブタ膵島を用いたバイオ人工膵島移植 ベイラー大学 松本 慎一 211
[肥満抑制]
糖尿病治療における肥満抑制の意義 東京大学 山内 敏正ほか 217
インクレチンによる肥満抑制機構とその臨床 京都大学 山田 千積 227
抗肥満治療薬の現状 東京逓信病院 宮崎  滋 233
肥満症に対する外科治療 大分大学 吉松 博信 240
エッセー  
学会の旅・留学の旅-私の呼吸器病学-(2)
ストックホルム
京都大学名誉教授 泉  孝英 248
対談
脳とこころの科学と医療(第23回)
心身医学の現状と未来
九州大学 久保 千春 251

(聞き手)

国立精神・神経センター 金澤 一郎
トピックス
免疫調整薬サリドマイドとその誘導体 大阪大学 嶋 良仁 258
特報 第45回ベルツ賞受賞論文: 
血管内皮細胞の抗血栓分子トロンボモデュリン(TM)による循環維持機構の解明と遺伝子組み換えTMによる血栓制御の臨床展開 鹿児島大学 丸山 征郎ほか 264
動脈血栓症の制圧
-VWF-GBIb軸依存性血小板血栓形成を調節するADAMTS13の基礎・臨床病態解析-
奈良県立医科大学 藤村 吉博ほか 290

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