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最新医学 64巻7号(通巻807号)

特集 抗NMDA受容体脳炎


 「最新医学」64巻7月特集は「抗NMDA受容体脳炎」です。

 自己免疫性神経疾患のなかでも症状が激烈であるものとして脳炎、特に辺縁系脳炎があります。自己免疫性辺縁系脳炎の原因となる基礎疾患としては全身性エリテマトーデス、橋本病、血球貪食症候群、関節リウマチなど種々のものが知られていますが、最近話題になっている辺縁系脳炎にN-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体に対する抗体陽性の脳炎があります。
 本症は若年女性に好発し、精神症状で発症し、痙攣、顔面に特有のDystonia様の不随意運動、中枢性低換気を特徴とし、意識障害が遷延する脳炎です。更に本症は卵巣奇形腫を合併する頻度が高い事も知られています。その一方で、重度意識障害は長期に及ぶものの症状は自然寛解が見られるなど非常に興味深い経過を辿ります。
 また本疾患については最近、我が国からも臨床経過の特異性や詳細な治療経過などが報告されています。
 本特集では抗NMDA受容体脳炎について現時点での最新の知見を、本疾患を経験された第一線の神経内科の専門家にご解説頂きました。
 今後、本疾患については次々に新しい知見が登場しその本質が解明されていくことと思われます。
 これから専門医を目指す若い先生方のみならず、初期症状の際に遭遇する可能性が考えられる一般臨床医、救急医、心療内科の先生方にも是非、手にとって頂きたい特集です。


論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論 慶應義塾大学 鈴木 則宏 1499
[アプローチ]
抗NMDA受容体脳炎
-新たな傍腫瘍性神経疾患の登場-
慶應義塾大学 鈴木 則宏 1501
[本論]
若年女性に好発する急性非ヘルペス性脳炎(AJFNHE)と抗NMDA受容体脳炎との関連 日本大学 亀井  聡 1506
若年女性に好発する急性非ヘルペス性脳炎(AJFNHE)の我が国における疫学調査 日本大学 亀井  聡 1514
抗NMDA受容体複合体抗体と抗グルタミン酸受容体ε2抗体 静岡てんかん・神経医療センター 高橋 幸則ほか 1520
抗NMDA受容体抗体からみた自己抗原の局在と意義 金沢医科大学 田中 惠子 1527
臨床症状から見た抗NMDA受容体脳炎の病態 北里大学 飯塚 高浩 1536
抗NMDA受容体脳炎の臨床症状の特異性 自治医科大学 嶋崎 晴雄 1545
腫瘍非合併例における抗NMDA受容体脳炎 東京大学 石浦 浩之ほか 1553
抗NMDA受容体脳炎の不随意運動 慶應義塾大学 鈴木 重明 1560
抗NMDA受容体脳炎の精神症状
-統合失調症との比較-
北里大学 宮岡 等 1565
抗NMDA受容体脳炎のMR SpectroscopyとMR Perfusion 奈良県立医科大学 形岡 博史ほか 1571
急性抗NMDA受容体脳炎の脳波 京都大学 池田 昭夫ほか 1578
抗NMDA受容体脳炎の治療 慶應義塾大学 関  守信 1585
エッセー  
学会の旅・留学の旅-私の呼吸器病学-
(7)パリ、コロンビア、アスペン

京都大学名誉教授 泉  孝英 1592
対談
血液および血液疾患を語る(第4回)
血栓症をコントロールする
慶應義塾大学 池田 康夫 1595

(聞き手)

名古屋セントラル病院 齋藤 英彦
トピックス
遺伝子異常による骨髄不全症 日本医科大学 山口 博樹 1603
特報
2008年度井村臨床研究奨励賞受賞記念論文:
高血圧及び動脈硬化性疾患の予防に関する疫学研究
滋賀医科大学 三浦 克之 1610

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