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最新医学 65巻4号(通巻818号)

特集 パーキンソン病 -最近の進歩-


 「最新医学」65巻4月特集は「パーキンソン病-最近の進歩-」です。

 振戦・筋強剛・無動・姿勢反射障害を主徴とする進行性の運動障害を呈する錐体外路疾患であると考えられてきたパーキンソン病はここ数年でその疾患概念が大きく変貌を遂げつつあります。それは、パーキンソン病が自律神経障害・うつ・睡眠障害・認知症など、非運動症状も高度に合併する多系統変性疾患であることが認識されるようになってきたからです。更にドイツの病理学者Braakはα-シヌクレインの異常蓄積が嗅球、延髄から始まり、徐々に上行して中脳に及び、最終的には大脳皮質に至るとの仮説を提唱しました(Braakの仮説)。この仮説は最近ではα-シヌクレインがプリオン蛋白のように近接の神経細胞に「感染」しながら伝播していくという説にまで進展しています。
 このように現在、パーキンソン病はその疾患概念そのものが大きく転換する歴史的局面を迎えています。
 本特集ではパーキンソン病の研究、診療の第一線で活躍する専門家に各領域での進歩と問題点を詳しくご解説頂きました。
 特に病因・病態の項では遺伝子レベルの研究成果から前述のBraaKの仮説の検証まで、注目される症候の項では従来の運動症状に加えて非運動症状、ドパミン調節障害症候群についても言及頂きました。更に診断・治療の最新情報についても診療の最前線でご活躍されている先生方に詳しくご紹介をお願いしております。
 これから神経内科の専門医を目指す若い先生方のみならず高齢の患者さんを診察される機会の多い一般臨床医の先生方にも是非とも手にとってご覧頂きたい内容です。
 
        

論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論 京都大学 高橋 良輔 789
[アプローチ]
変貌する疾患概念と治療ガイドライン改訂版の取り組み 京都大学 伊東 秀文ほか 791
[病院・病態の解明]
パーキンソン病原因遺伝子研究の進展 東北大学 今居 譲 799
孤発性パーキンソン病のリスク遺伝子 神戸大学 戸田 達史ほか 806
Braak脳幹上行仮説の検証 東京都老人総合研究所 村山 繁雄ほか 814
[注目される症候]
運動症候の病態生理 京都大学 中川 朋一ほか 821
治療上問題となる運動症状 国立精神・神経センター 岡本 智子ほか 832
最近注目される非運動症状 東北大学 馬場 徹ほか 839
ドパミン調節異常症候群 岡山旭東病院 柏原 健一 845
[診断と臨床評価の進歩]
脳機能画像を用いた早期診断 京都大学 澤本 伸克 851
New MDS-UPDRS 和歌山県立医科大学 近藤 智善 856
[治療]
パーキンソン病治療の動向 相模原病院 長谷川 一子 861
定位脳手術の適応と限界 相澤病院 橋本 隆男 871
パーキンソン病の遺伝子治療と再生治療の可能性 北里大学 北村 英二ほか 878
パーキンソン病における自律神経症状の治療 順天堂大学 服部 信孝 885
パーキンソン病のリハビリテーション治療 順天堂大学 林 明人 892
エッセー  
学会の旅・留学の旅-私の呼吸器病学-(16)
イーストボーン、京都、プラハ、ワルシャワ、シカゴ
京都大学名誉教授 泉  孝英 898
対談
血液および血液疾患を語る(第13回)
マスト細胞を科学する
塩野義製薬 北村 幸彦 901

(聞き手)

名古屋セントラル病院 齋藤 英彦
トピックス
C型慢性肝炎におけるテーラーメード医療の実現に向けて 名古屋市立大学 杉山 真也ほか 910
血小板減少症に対するトロンボポエチン受容体アゴニスト 山梨大学 桐戸 敬太 916
特報
2009年度井村臨床研究賞受賞記念講演:
脳動脈瘤および脳動静脈奇形の病態解明と治療法の開発
国立循環器病センター 橋本 信夫 923
総説
エンドサイトーシスによる受容体シグナルの制御とがん 東京理科大学 十島 純子ほか 931

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