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最新医学 66巻1号(通巻829号)
特集 インクレチン研究と創薬への展開


 「最新医学」66巻1月特集は「インクレチン研究と創薬への展開」です。

 インスリン分泌の少ない日本人は、わずかなインスリン抵抗性が加わるだけで容易に血糖が上昇し糖尿病を発症してしまいます。食事や生活様式の欧米化に伴い我が国の糖尿病患者数は急速に増加しており、その患者数はすでに890万人、予備群を含めると全成人の約22%が糖尿病との計算になります。
 一方、糖尿病の治療はインスリンやインスリン分泌促進薬が基本となっていますが、それらの薬剤では血糖降下作用が強力なため食前低血糖を招来し、肥満をきたすものや効果が弱く対象例が限られるもの、頻回注射が必要なものなどいずれも臨床上満足できる治療法とは言い難いものでした。  近年、糖尿病に対する新たなアプローチとしてインスリン分泌を増幅する因子であるインクレチンが注目されるようになりました。  なかでもGLP-1はインスリン分泌促進に加えて、消化管運動抑制、食欲抑制など様々な生理作用が明らかになり新たな糖尿病治療薬として期待されましたが、DPP-4により短時間で不活性化されることが問題とされていました。そこでGLP-1を補完する治療法としてDPP抵抗性のGLP-1受容体作動薬やDDP-4を阻害する薬剤などが開発され、現在販売されています。
 本特集では日本を代表するインクレチン研究の専門家にインクレチンの基礎及び臨床について最新の知見をご解説頂きました。また巻頭座談会では本特集をご企画頂いた関西電力病院・清野裕先生に司会をお願いし、秋田大学・山田祐一郎先生、東京大学・門脇孝先生をお迎えして「インクレチン研究と創薬への展開」をテーマにお話をして頂きました。
 これから専門医を目指す先生方はもちろんのこと、外来で糖尿病患者を診察される機会の多い一般臨床医の先生方にこそ、ご覧頂きたい内容です。
    

論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論  関西電力病院  清野 裕 5
[座談会]
インクレチン研究と創薬への展開 秋田大学 山田 祐一郎 7
   東京大学 門脇 孝   
 (司会)  関西電力病院  清野 裕  
[特集]
インクレチン研究の歴史 関西電力病院 表 孝徳ほか 15
GIP,とGLP-1の膵島への作用 京都大学 原田 範雄ほか 21
インクレチンの膵外作用 秋田大学 山田 祐一郎 28
インクレチン分泌のメカニズム 関西電力病院 矢部 大介ほか 33
糖尿病とインクレチン 熊本大学 竹田 佳代ほか 42
DPP-4阻害薬 山口大学 中林 容子ほか 49
GLP-1受容作動薬 川崎医科大学 俵本 和仁ほか 54
糖尿病治療の新しいパラダイムシフト
-インクレチン治療は糖尿病治療を変革するか-
東京大学 大杉 満 60
糖尿病合併症とインクレチン 名古屋大学 神谷 英紀ほか 82
[トピックス]
GLP-1の膵島再生・膵島イメージングへの応用 京都大学 豊田 健太郎ほか 90
Bariatric Surgeryとインクレチン効果 富山大学 石木 学 97
メトホルミン,α-グルコシダーゼ阻害薬とインクレチン 杏林大学 勝田 秀紀ほか 103
スルホニル尿素薬とインクレチン 神戸大学 柴崎 忠雄ほか 113
新連載
トップランナーに聞く(第1回)
難治性がんの撲滅を目指して
旭川医科大学 水上 裕輔  120
対談
血液および血液疾患を語る(第22回)
造血幹細胞の体外増幅 -iPS細胞の応用も含めて-
京都大学 中畑 龍俊 123

(聞き手)

名古屋セントラル病院 齋藤 英彦
トピックス
α-グルコシダーゼ阻害薬ボグリボースによる耐糖能異常からの2型糖尿病の発症予防、ならびに正常型への復帰 順天堂大学 河盛 隆造 133
特報 第47回ベルツ賞受賞論文: 
心不全の病態生理の解明と新しい治療法の開発 大阪大学 小室 一成ほか 140

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