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最新医学 66巻12号(通巻843号)
特集 人獣共通感染症の克服に向けて


 「最新医学」66巻12月特集は「人獣共通感染症の克服に向けて」です。

 世界保健機関(WHO)による痘瘡の根絶の宣言は人類は感染症を克服できると期待を抱かせました。しかし、その後もAIDS、BSE、SARS、インフルエンザ、ハンタウイルスやヘニパウイルス感染症、ラッサ熱、エボラ出血熱、出血性大腸菌症、肺ペスト、レプトスピラ病などの新興・再興感染症が世界各地で発生し、人類の脅威となっています。これらはすべてヒト以外の脊椎動物とヒトとの間で伝播する人獣共通感染症(zoonosis)であり、その病原体は、地球上の限られたスポットで存続してきた微生物でした。
 近年の爆発的人口増加と経済活動の拡大による動植物生態系を破綻は、野生生物と人間社会の境界消失をもたらせました。これまでなんら危害を及ぼすことなく存続してきた微生物が、家畜、家禽とヒトに伝播する機会が増加し、新たな人獣共通感染症の出現(emerging zoonoosis)を引き起こしているのです。
 本特集では、人獣共通感染症の研究・教育を第一線で担っておられる専門家にその克服に向けた研究、臨床応用とその課題について詳しくご解説頂きました。
 貿易のグローバル化とボーダレスの国際交流によりこれまで想定していなかった病原体が我が国に侵入する事が十分予想されますが、その対策を準備する時間は限られています。
 人獣共通感染症について多くの医療関係者の方々にご理解を深めて頂ける内容となっております。
           

論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論 北海道大学 喜田 宏 2609
[対談]
人獣共通感染症の克服対策 三重大学 倉田 毅 2612
  北海道大学 喜田 宏  
[特集]
インフルエンザ 北海道大学 喜田 宏 2623
バイオインフォマティクスによるインフルエンザウイルスの変異予測 北海道大学 伊藤 公人 2632
ロタウイルス感染症 長崎大学 中込 とよ子ほか 2641
ザンビア共和国における新規アレナウイルスによる出血熱の発生と自然宿主動物の探索 北海道大学 石井 秋宏 2649
ウエストナイル熱 長崎大学 森田 公一 2655
ハンタウイルス感染症 北海道大学 有川 二郎 2661
エボラ・マールブルグ出血熱 北海道大学 高田 礼人  2668
動物における狂犬病の疫学とウイルスの病原性発現機序 岐阜大学 伊藤 直人ほか 2676
狂犬病の輸入例と世界におけるヒトの感染 富山県衛生研究所 飛梅 実ほか 2682
結核 富山県衛生研究所 鈴木 定彦ほか 2689
レプトスピラ症 北海道大学 増澤 俊幸 2697
コクシエラ・クラミジア感染症 岐阜大学 福士 秀人  2703
プリオン病 北海道大学 堀内 基広  2713
ヒトアフリカトリパノソーマ感染症の現状と対策 北海道大学 杉本 千尋  2721
現代社会とうつ病
(第8回) うつ病とがん 帝京大学 松島 英介 2726
トップランナーに聞く
(第12回)
肥満状態におけるアディポカイン作用の質的・量的変化の分子メカニズムとその病態生理的意義の解明ならびに治療への応用
東京大学 山内 敏正 2731
トピックス
MAIT細胞と自己免疫疾患 国立精神・神経研究センター 三宅 幸子 2736
症例
ミルタザピンとデュロキセチンの併用により寛解に至ったうつ病の一例 島根大学 河野 公範ほか 2736

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