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最新医学 68巻9号(通巻869号)

特集
 
甲状腺がん -病態と治療のUpdate-


「最新医学」68巻9月特集は「甲状腺がん-病態と治療のUpdate-」です。

 東日本大震災を起因とした福島第一原子力発電所放射能漏洩事故が2011年3月に発生しましたが、放射能漏洩による健康被害に対する懸念が事故発生当初から現在に至るまで続いています。特に甲状腺がんに関してはチェルノブイリの原子力発電所事故では漏洩した放射性ヨウ素による誘発が報告されており、今回の事故でも同様のことが起きるのかどうかが心配されています。しかし今回の事故による健康被害を検証するためには小児甲状腺がんの自然発症頻度や生物学的性質、事故によって発生した小児甲状腺被曝量の実情把握が不可欠となります。
 本特集ではこれらについて我が国の最前線で活動されている先生方に詳しい解説をお願いしました。また巻頭座談会の後半でも福島第一原子力発電所事故の影響についてお話し頂きました。
 一方で甲状腺悪性腫瘍に関しては2010年に甲状腺腫瘍診療ガイドラインが公表されて以来、様々な変化や成果が現れています。今回は甲状腺がんの分子機構から診療の方向性、診断方法の進歩、転移・進行例への対策などについて臨床の現状に則した最新知見を各分野でアクティブに活動されている先生方に解説して頂き、巻頭座談会でもそれらについて各領域の専門家の先生方にご討論頂きました。
 甲状腺がんの現状から放射能漏えい事故による影響まで詳しく概説した一冊です。ぜひ多く臨床家の先生方・研究者の方々にご覧いただきたい内容となっています。
                       

論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論 金沢大学 絹谷 清剛 1829
[座談会]
甲状腺分化がん -診療における最近の変化と福島でのリスクの捉え方- 東京女子医科大学 岡本 高宏 1831
福島県立医科大学 鈴木 眞一
(司会) 金沢大学 絹谷 清剛
[分子機構の解明]
甲状腺がん分子機構 長崎大学 光武 範吏 1842
[診療における方向性]
甲状腺腫瘍診療ガイドライン―現状と今後の方向性― 東京女子医科大学 岡本 高宏 1849
分化がん―診療ストラテジー― 筑波大学 原 尚人 1855
甲状腺未分化がんの生物学的特性と治療戦略 川崎医科大学 田中 克浩 1862
小児遺伝性髄様がんの発症前診断と甲状腺全摘の時期 野口病院 内野 眞也 1867
[診断の進歩]
甲状腺濾胞がんの術前分子診断法の開発状況 大阪大学 高野 徹 1874
低分化がんの明らかな点,曖昧な点―病理医の立場から― 慶應義塾大学 亀山 香織 1880
診療方針に繋がる画像診断―FDG–PET を中心に― 北光記念病院 中駄 邦博 1884
[転移・進行例への方策]
甲状腺分化癌における131I内照射療法の意義と限界 東京慈恵会科大学 内山 眞幸 1895
分子標的薬の展望 名古屋大学 下方 智也ほか 1902
[小児甲状腺がんと放射線被ばく]
小児甲状腺がんについて 伊藤病院 杉野 公則 1910
福島第一原発事故による甲状腺被ばく 京都医療科学大学 大野 和子  1916
福島県小児甲状腺超音波検診の現状 福島県立医科大学 鈴木 眞一 1922
現代社会とうつ病
(32) 特別な精神療法 (2)対人関係療法(IPT)の応用 水島広子こころの健康クリニック 水島 広子 1936
トップランナーに聞く
(第30回)
セマフォリンの免疫制御応答機構の研究
大阪大学 熊ノ郷 淳 1940
ノーベル賞と医学の進歩・発展
(12) 不妊治療としての体外受精技術の開発
―生殖医学の進歩におけるロバート・G・エドワーズの歴史的功績―
京都大学 森 崇英 1945
トピックス
プリオン病の髄液診断の可能性 長崎大学 佐藤 克也ほか 1950
シェーグレン症候群における抗M3R 抗体の解析 筑波大学 坪井 洋人ほか 1958
投稿
デュロキセチン(サインバルタ)が著効した神経性疼痛症の2例―下行性疼痛抑制系賦活療法に対する一考察― 永山病院 木原 幹洋ほか 1966

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