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最新医学 68巻12号(通巻873号)

特集
 
血管新生阻害薬の展開
                       


「最新医学」68巻12月特集は「血管新生阻害薬の展開」です。

 血管は酸素や養分を運搬するパイプの役割だけではなく、高度に制御された血管透過性を介して炎症細胞を浸潤させるなど生体防御にも重要な役割を果たしています。更に最近の研究で臓器特異的な幹細胞の未分化性維持や自己複製などを制御していることも明らかになっています。
 一方で腫瘍・網膜症・慢性炎症性疾患などでは、病態部に過剰に血管が形成されることで病変の増大をまねくことから、血管形成を抑制する治療法の開発が望まれていました。
 特に強力な血管新生因子であるVEGFは正常組織の血管生成にも必須ですが、腫瘍においてもほぼ例外なく過剰発現して血管形成を誘導しており、日本ではVEGFを中和する抗体が実際に利用可能になっています。
 本特集では、血管形成に関与する分子機序についての基礎医学的な研究成果や今後期待がかかる腫瘍血管への薬剤送達法、血管新生抑制効果に対するバイオマーカーなどについて成果を上げておられる先生方にその現状をご紹介頂きました。また既に臨床応用が始まっている領域についても国内の最前線でご活躍の臨床医の立場からその現状や将来についてご解説頂いています。
 応用領域は固形腫瘍に対する治療から神経外科・眼科と広範囲にわたります。ぜひ多く臨床家の先生方・研究者の方々にご覧いただきたい内容となっています。

論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論 大阪大学 高倉 伸幸 2591
[座談会]
血管新生抑制薬の臨床現場における現状と今後の期待 聖マリアンナ医科大学 高木 均 2593
金沢大学 矢野 聖二
(司会) 大阪大学 高倉 伸幸
[基礎研究]
血管新生の分子機序 大阪大学 高倉 伸幸 2603
VEGFによる血管形成および血管調節作用 上武大学 澁谷 正史 2609
血管内皮細胞のシグナルと接着による血管成熟・安定化機構 国立循環器病研究センター 安藤 康史ほか 2615
内因性血管新生抑制因子 東北大学 佐藤 靖史 2621
腫瘍血管内皮細胞の特異性と治療感受性 北海道大学 秋山 廣輔ほか 2626
網膜血管形成と腫瘍血管新生 慶應義塾大学 久保田 義顕 2632
[トランスレーショナル研究]
腫瘍血管を通じた薬剤送達 岡山大学 狩野 光伸ほか 2639
血管新生抑制薬のバイオマーカー 近畿大学 寺嶋 雅人ほか 2647
[臨床研究]
消化器がんにおける血管新生の制御 浜松医科大学 菊池 寛利ほか 2653
呼吸器腫瘍における血管新生の制御 金沢大学 矢野 聖二 2659
乳がんにおける血管新生の制御 京都大学 木曾 末厘乃ほか 2665
脳神経外科疾患における血管新生促進と血管新生抑制-もやもや病とグリオーマに関して- 岡山大学 伊達 勲ほか  2672
眼内血管新生疾患に対する抗VEGF療法 京都大学 村上 智昭ほか 2679
現代社会とうつ病
(32) 女性とうつ病 東京女子医科大学 加茂 登志子 2688
トップランナーに聞く
(第36回)
基礎分子病理学的研究から治療法開発への挑戦―腫瘍ホーミングペプチドの研究開発―
愛知県がんセンター 齋藤  憲 2692
ノーベル賞と医学の進歩・発展
(15)
アンジオテンシン,アスピリン,プロスタサイクリン
―1982 年ノーベル生理学・医学賞受賞者
Sir John Vane 博士の医学・医療への貢献―
j京都大学 成宮 周 2699
トピックス
新しい抗HER2薬:ペルツズマブ 愛知県がんセンター 服部 正也ほか 2704
慢性閉塞性肺疾患(COPD)と全身疾患 京都大学 室 繁郎 2711

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