最新醫學 69巻10号(通巻885号)
特集 骨粗鬆症 -新たな骨粗鬆症治療薬と治療ストラテジー-
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![]() 「最新医学」69巻10月特集は「骨粗鬆症 -新たな骨粗鬆症治療薬と治療ストラテジー-」です。 1990年代後半より骨粗鬆症に対して著明な骨密度増加効果と骨折防止効果を有する薬剤が次々と登場しています。例えばビスホスホネート製剤では経口連日、週1、月1、また月1静注製剤が上市され、さらに食後服用可能な製剤や年1静注製剤の開発も進められています。また、選択駅エストロゲン受容体調整薬では結合型エストロゲンの合剤、すなわち組織選択的エストロゲン複合薬が開発され米国で承認されています。さらに既存の活性型ビタミンD製剤より強力な新規ビタミンD誘導体や骨粗鬆症領域にはじめて登場した破骨細胞分化誘導因子(RANKL)に対する分子標的薬としてのモノクローナル抗体、選択的な骨吸収抑制薬の登場も期待されています。 一方で骨形成促進剤においては本邦で開発された週1皮下注製剤でビスホスホネートを上回る椎体骨折防止効果が立証され、既に登場しています。また、作用機序の異なる薬物を組み合わせる併用療法についても本邦の医師主導型大規模臨床試験より骨折リスクの高い重症骨粗鬆症例でビスホスホネートと活性型ビタミンDの併用の有効性が示されています。 本特集では骨代謝、骨粗鬆症学のエキスパートの先生方に、種々の観点から最新の骨粗鬆症治療戦略と新たな骨粗鬆症治療薬について詳しく解説していただきました。 続々と新しい治療薬が登場し新たな局面を迎えている骨粗鬆症治療の最前線を実感頂ける内容です。 |
論文題名 |
著者所属 |
著者名 |
通巻頁 |
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序論 | 島根大学 | 杉本 利嗣 | 1913 |
[座談会] | |||
最新の骨粗鬆症治療戦略を語る | 鳥取大学 | 萩野 浩 | 1915 |
帝京大学 | 岡崎 亮 | ||
(司会) | 島根大学 | 杉本 利嗣 | |
[骨粗鬆症治療薬] | |||
ビスホスホネート治療の進歩と今後の展開 | 近畿大学 | 宗圓 聰 | 1928 |
選択的エストロゲン受容体モジュレーター治療の進歩と今後の展開 | 国際医療福祉大学 | 太田 博明ほか | 1934 |
活性型ビタミンDとその誘導体 | 帝京大学 | 井上 大輔 | 1942 |
抗RANKLモノクローナル抗体デノスマブによる治療と課題 | 東京大学 | 中村 春彦ほか | 1950 |
骨形成促進剤テリパラチドによる治療と課題 | 新潟大学 | 遠藤 直人 | 1957 |
新規の骨粗鬆症治療薬と今後の展開 | 虎の門病院 | 竹内 靖博 | 1962 |
[治療ストラテジー] | |||
骨粗鬆症診断基準,薬物治療開始基準,そして治療標的 | 健康院クリニック | 細井 孝之 | 1969 |
骨粗鬆症診療における骨代謝マーカーの適正使用の考え方 | 大阪市立大学 | 山田 真介ほか | 1975 |
骨粗鬆症における新規バイオマーカーの開発と展望-先制医療の実践に向けて- | 北陸大学 | 川野 克己ほか | 1984 |
骨粗鬆症薬物治療の継続・休薬・変更の考え方 | 慶應義塾大学 | 岩本 潤 | 1994 |
併用療法の現状と今後の展開 | 成人病診療研究所 | 白木 正孝 | 1999 |
ステロイド性骨粗鬆症の管理と治療ガイドラインの改訂版をめぐって | 東海大学 | 鈴木 康夫 | 2008 |
生活習慣病関連骨粗鬆症の管理と薬物治療の考え方 | 島根大学 | 山口 徹 | 2017 |
現代社会とうつ病 | |||
(43) 新しいうつ病治療:薬物療法 | 九州大学 | 三浦 智史 | 2022 |
トップランナーに聞く | |||
(第44回) 絶食/摂食応答シグナルとその障害の分子機構の解明 -糖尿病に対する創薬の新しい分子標的の同定を目指して- |
国立国際医療研究センター | 松本 道宏 | 2025 |
ノーベル賞と医学の進歩・発展 | |||
(24) 肝炎ウイルスの発見 | 京都府立医科大学 | 光吉 博則ほか | 2031 |
トピックス | |||
高分子ナノテクノロジーを利用したナノメディシンの開発 | 東京工業大学 | 西山 伸宏 | 2035 |
投稿 | |||
急性期虚血性脳卒中に対して高用量アルガトロバン療法を施行した1例 | ヨコクラ病院 | 石橋 章 | 2035 |