最新醫學 69巻3月増刊号 
特集 再生医療の最新の進歩(前篇) 
   次世代再生医療に向けた基盤研究


要  旨


再生医療を可能にする細胞ソース
ES 細胞研究の展望と課題

末盛 博文
京都大学再生医科学研究所胚性幹細胞研究分野 准教授

要  旨
 ヒト ES/iPS 細胞の臨床利用に向けた研究開発が進められているが,従来の医療とは違いさまざまな面で新しい試みであり,解決が必要な問題は山積している.ヒトES細胞を臨床に用いるためにどのように培養するのか,その技術がどのように進展してきたか,を中心に解説する.ES 細胞で培われたさまざまな技術はiPS細胞の利用にもそのまま活用されており,両者の研究を一体的に進めることが重要である.

キーワード
ES細胞、多分化能、細胞培養、GMP

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再生医療を可能にする細胞ソース
iPS 細胞研究の展望と課題

高橋 和利
京都大学 iPS 細胞研究所初期化機構研究部門 講師

要  旨
 人工多能性幹(iPS)細胞がヒト線維芽細胞から樹立されてから7年が経った.2012年には,iPS細胞を世界で初めて樹立した山中伸弥教授が,その功績によりノーベル生理学・医学賞を受賞した.皮膚や血液から作製可能な iPS 細胞は,再生医療だけでなく,疾患研究や創薬などの有用なツールとして期待が高まっている.実際に,最近では iPS 細胞を用いた加齢黄斑変性への臨床研究が認可された.今後,iPS 細胞を用いた治療法が普及すれば,研究室だけでなく医療の現場においても,iPS 細胞についての知識が求められることが予想される.そこで本稿では,iPS 細胞の樹立された経緯や iPS 細胞の可能性,問題点など iPS 細胞に関する基本的な事柄について紹介したい.

キーワード
再生医療、初期化技術、iPS細胞

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再生医療を可能にする細胞ソース
Muse 細胞研究の展望と課題

若尾 昌平*1  串田 良祐*2  出澤 真理**1**2
*1東北大学大学院医学系研究科細胞組織学分野 **1同教授
*2東北大学大学院医学系研究科人体構造学分野 **2同教授

要  旨
 骨髄,脂肪,皮膚や市販の線維芽細胞などの間葉系の細胞に,腫瘍性を持たない多能性幹細胞Muse細胞が発見された.この細胞の最大のメリットは,安全性と同時に,分化誘導を必要とせず,生体内に投与すれば傷害部位に遊走・生着し,場の論理に応じて自発的に分化し,組織修復と機能回復をもたらしてくれるという,臨床応用上の簡便性である.この細胞の再生医療への応用の道筋を考察したい.

キーワード
多能性幹細胞、間葉系幹細胞、細胞移植、修復、3次元培養

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再生医療を可能にする細胞ソース
直接リプログラミング技術を用いた再生医療の展望

村岡 直人*   家田 真樹**
*慶應義塾大学医学部臨床分子循環器病学講座・循環器内科 **同講師

要  旨
 心疾患は世界中で死因の上位に位置している.成人では心筋の再生能力は限られていることから,障害された心筋を再生する新たな技術が求められている.心臓に大量に存在する心臓線維芽細胞を心筋細胞に転換する直接リプログラミングは,新たな心筋再生療法と成りうる.これまでに,複数の心筋関連因子によるマウスまたはヒトでの心筋直接リプログラミングが報告されている.本稿では,近年の心筋リプログラミング研究の進歩を検討し,臨床応用に向けた展望を紹介する.

キーワード
心臓、心筋再生、直接リプログラミング、iPS細胞、iCM細胞

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iPS細胞を用いた疾患モデル研究
iPS 細胞を用いた神経変性疾患モデル
後藤 和也*1*2 高橋 良輔**1  井上 治久**2

*1京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座臨床神経学 **1同教授
*2京都大学 iPS 細胞研究所臨床応用研究部門 **2同准教授

要  旨
 2006年にマウスの線維芽細胞から,2007年にヒトの線維芽細胞から人工多能性幹細胞(iPS 細胞)が作製され,現在までにさまざまな分野で iPS 細胞を用いた研究が報告されている.神経変性疾患の分野では,神経細胞の再生が難しいために動物モデルや細胞モデルを用いて研究が進められてきており,患者の遺伝子情報を有した疾患標的細胞を用いて研究できるiPS細胞の技術は,強力なツールである.本稿では,iPS 細胞を用いた神経変性疾患の研究について述べる.

キーワード

iPS細胞、神経変性疾患、疾患モデル、異常タンパク、トリプレットリピート病

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iPS細胞を用いた疾患モデル研究
iPS 細胞を用いた心疾患モデル
湯浅 慎介

慶應義塾大学医学部循環器内科 講師

要  旨
 ヒト iPS 細胞は患者体細胞から容易に作成することが可能で,患者ゲノムにコードされたすべての遺伝情報を受け継いでいる.すなわち,同分化細胞を用いることにより疾患モデルを作成することが可能であり,未解決だった病気の原因解明や,ドラッグスクリーニングなどにより新規治療方法の開発が期待されている.これらの研究結果をもとに,現在治療方法がない難治性心疾患に対する,革新的な新規治療方法の開発が待たれる.

キーワード
iPS細胞、疾患モデル、不整脈、心筋症

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iPS細胞を用いた疾患モデル研究
iPS 細胞を用いた筋疾患モデル

櫻井 英俊
京都大学 iPS 細胞研究所臨床応用研究部門 特定拠点講師

要  旨
 骨格筋疾患には,有効な治療法が確立されていない難病が多くあり,新規治療薬の開発に向け,患者由来 iPS 細胞を活用した研究が期待されている.その実現のため,我々は高効率で極めて再現性高く iPS 細胞を骨格筋へ分化誘導させる方法を確立し,三好型ミオパチーの膜修復異常という病態再現に成功した.この手法を応用することで,多くの筋疾患に対する新たな治療法や薬剤の開発につながるものと期待できる.

キーワード
iPS細胞、病態再現、筋ジストロフィー、ミオパチー

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iPS細胞を用いた再生医療への挑戦
新たな輸血製剤の創生
張本 乾一*1*2 江藤 浩之**1

*1京都大学 iPS 細胞研究所臨床応用部門 **1同教授
*2東レ株式会社先端材料研究所医療材システム研究室

要  旨
 山中伸弥博士らが成功した人工多能性幹(iPS)細胞の作製は,瞬く間に世界を圧巻し,“成熟細胞の初期化”という新領域を開拓したジョン・ガードン博士と共に2012年のノーベル生理学医学賞を授与された.iPS細胞の登場は,胚性幹細胞の研究によって生まれた再生医療実現への希望を,さらに加速度的に大きくしている.本稿では,筆者らが所属している造血研究領域において,iPS 細胞が及ぼした波及効果の実例を紹介する.

キーワード
輸血製剤、血小板、巨核球、赤血球

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iPS細胞を用いた再生医療への挑戦
iPS 細胞技術がもたらす新たな軟骨疾患研究・治療
妻木 範行

京都大学 iPS 細胞研究所(CiRA)増殖分化機構研究部門細胞誘導制御学分野 教授

要  旨
 軟骨は胎生期には骨格の鋳型として体を支え,生後は成長軟骨として骨格を伸長させ,また関節軟骨として滑らかな関節運動を担っている.成長軟骨の障害は骨系統疾患を引き起し,全身骨格の(多くの場合)短縮,変形を起す.一方,関節軟骨の損傷は膝などの関節運動機能障害を起す.iPS細胞の開発により,骨系統疾患患者の体細胞から iPS 細胞を作り,それを軟骨細胞へ分化させることで,試験管内で患者の軟骨細胞を作ることが可能になりつつある.この疾患モデルにより,骨系統疾患の病態解析や創薬が行われることが期待される.関節軟骨の欠損に対しては,HLA ホモ iPS 細胞ストックから軟骨細胞を分化誘導して,欠損部に他家移植する治療方法の開発が進められている.また,ダイレクト・リプログラミングによって,iPS細胞を経ずに軟骨細胞を直接誘導することも可能になっている.

キーワード
細胞リプログラミング、iPS細胞軟骨再生、ダイレクト・リプログラミング、疾患モデル

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iPS細胞を用いた再生医療への挑戦
ヒト代謝性臓器の創出に向けた開発戦略
谷口 英樹**1**2 武部 貴則*1*2

*1横浜市立大学大学院医学研究科臓器再生医学 **1同教授
*2横浜市立大学先端医科学研究センター研究開発部門 **2同部門長

要  旨
 移植医療における最も重要な未解決課題が,ドナー臓器の絶対的不足であることは明らかである.この課題を解決するために,ヒト臓器の人為的構成を可能とする革新的な細胞操作技術を開発する必要がある.我々は,ヒトiPS細胞由来肝内胚葉細胞を材料として,血管内皮細胞と間葉系細胞との共培養によるヒト器官原基(ヒト iPS 細胞由来肝細胞原基:hiPSC-LB)の人為的創出法を開発した.そして,ヒト器官原基移植(organ bud transplantation)による生体内における機能的な臓器創出が有効な治療手法となることを明らかにした.

キーワード
肝臓、多能性幹細胞、iPS細胞、肝芽、器官原基移植

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iPS細胞を用いた再生医療への挑戦
糖尿病治療を目指した iPS 細胞からの膵島形成
渡邊 亜美*   宮島 篤**

*東京大学分子細胞生物学研究所発生・再生研究分野 **同教授
要  旨
 インスリン依存型の重症糖尿病治療にあたり,膵島移植法が有効であることが示されている.しかし,絶対的なドナー不足や免疫拒絶の問題が本法の普及を妨げる.これを根本的に解決する方法として,多能性幹細胞などからの膵内分泌細胞,あるいは膵島そのものの再生に注目が集まっている.本稿では,多能性幹細胞,特にヒト ES/iPS 細胞からの膵内分泌,膵島再生について概説する.

キーワード
膵島、膵内分泌細胞、膵島移植

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iPS細胞を用いた再生医療への挑戦
パーキンソン病に対する再生医療
元野 誠*   高橋 淳**

*京都大学 iPS 細胞研究所臨床応用研究部門神経再生分野特定研究員 **同教授
要  旨
 パーキンソン病の細胞移植治療は1980年代から行われており,研究データが蓄積されているにもかかわらず,一般的な治療法として確立されるまでには至っていない.胚性幹細胞(ES 細胞)や人工多能性幹細胞(iPS 細胞)が開発されたことにより,細胞移植治療が治療法の1つとなる可能性が出てきた.本稿では現在までに行われてきた研究を挙げながら,パーキンソン病の再生医療に関して考えていきたい.

キーワード
パーキンソン病、細胞移植、iPS細胞、分化誘導、ドパミン神経細胞

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iPS細胞を用いた再生医療への挑戦
脊髄損傷に対する再生医療
川端 走野*1*2 中村 雅也**2  岡野 栄之**1
*1慶應義塾大学医学部生理学教室 **1同教授
*2慶應義塾大学医学部整形外科学教室 **2同准教授

要  旨
 医学の著しい進歩にもかかわらず,損傷した脊髄を直接修復する治療法はいまだ確立されていない.しかし近年,動物実験レベルで脊髄損傷に対する細胞移植治療の有効性が数多く報告されている.本稿では,これまで行われてきた脊髄損傷に対する神経幹細胞移植研究について,特に iPS 細胞研究に関する話題を中心に概説する.

キーワード
神経幹細胞、iPS細胞、脊髄損傷、細胞移植

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3次元組織・臓器を創る
異種動物個体内での臓器再生
山口 智之
東京大学医科学研究所幹細胞治療研究センター幹細胞治療分野

要  旨
 多能性幹細胞による臓器,組織の作製技術の開発は,世界中で活発に研究されている.しかしながら,これまでに成体臓器と同等の機能を持つ完全分化した臓器作製の報告はない.この問題を解決するためには,動物の発生原理を利用した臓器作製法の開発が必要である.本稿では,我々の開発した,胚盤胞補完法による成体臓器と同等の機能を持つ臓器の作製法を紹介したい.

キーワード
臓器再生、多能性幹細胞、胚盤胞補完法、異種キメラ

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3次元組織・臓器を創る
生体足場を用いた機能的臓器再生
山中 修一郎*   横尾 隆**
*東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科 **同教授

要  旨
 末期臓器不全の治療として同所臓器移植がある.しかし,慢性的な臓器不足が世界的に大きな問題となっている.近年,臓器不足を克服するため,再生医療が注目を集めている.究極の治療法となる機能的な臓器再生は本当に実現可能なのであろうか.近年,新たな再生手法の開発,および多能性幹細胞研究の進展で,機能的臓器再生が少しずつではあるが現実味を帯びてきた.本稿では,機能的臓器として腎臓に焦点を当て,腎臓再生法の開発の現況について紹介するとともに,限界や問題点にも言及する.

キーワード
リレー培養法、脱細胞化、間葉系幹細胞、scaffold、腎臓再生

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3次元組織・臓器を作る
血管網付与技術による3次元心筋組織の構築
関根 秀一*   清水 達也**  岡野 光夫***
*東京女子医科大学先端生命医科学研究所講師 **同教授 ***同教授・所長

要  旨
 再生組織への血管網付与技術は,ティッシュエンジニアリング研究において克服すべき世界的課題となっている.我々は心筋細胞シートの段階的積層化技術を開発し,生体内と生体外環境において血管網を伴った厚い心筋組織の構築を成功させた.機能的な血管網を有することは,再生組織の生存のみならず栄養物質の代謝,老廃物の排泄といった臓器の果たす役割としても極めて重要であり,本技術は種々の組織・臓器再生への応用が可能である.

キーワード
再生医療、心疾患、ティッシュエンジニアリング、細胞シート

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再生医療普及のための基盤技術
ヒト多能性幹細胞用培養基質の開発
関口 清俊
大阪大学蛋白質研究所蛋白質化学研究部門細胞外マトリックス研究室 教授

要  旨
 ヒト多能性幹細胞(hPSCs)を医療に利用するためには,これらの細胞を安全に増幅する培養技術の確立が不可欠である.マウス胎仔線維芽細胞(MEF)をフィーダー細胞とする従来の培養法は異種動物成分の混入が不可避であるため,フィーダー細胞を使わない hPSCs の培養法の開発が急務となっている.現在,ラミニンやビトロネクチンなど,さまざまな多能性幹細胞用の培養基質が市販されている.ラミニン 511E8 は接着力が非常に強く,大量・拡大培養に適しており,医療用 hPSCs の標準的な培養基質としての普及が期待される.

キーワード
ラミニン、ビトロネクチン、細胞接着、基底膜、インテグリン

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再生医療普及のための基盤技術
普及を目指した他家細胞シート移植による食道再生医療の試み
金井 信雄*1*2 大和 雅之**1  小林 慎一朗*3 山本 雅一**2  岡野 光夫***1
*1東京女子医科大学先端生命医科学研究所(TWIns)**1同教授 ***1同所長
*2東京女子医科大学消化器外科 **2同主任教授
*3長崎大学大学院医歯薬学総合研究科移植消化器外科

要  旨
 我々は温度応答性培養皿を用いて,平面上に培養した細胞をシート状に回収して治療に使う“細胞シートテクノロジー”を開発し,自己の体細胞から培養作製した上皮細胞シートを使った食道再生治療のヒト臨床を,日本だけでなく海外にも展開してきた.さらに,この再生治療が普及し,標準治療として実現化を目指し,培養加工技術の開発だけでなく,同種細胞を利用して組織工学製品の開発を目指している.

キーワード
細胞シート、再生医療、組織工学、食道再生

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再生医療普及のための基盤技術
再生医療における免疫制御
佐々木 元*   和田 はるか**  清野 研一郎***
*北海道大学遺伝子病制御研究所免疫生物分野 **同講師 ***同教授

要  旨
 再生医療として多能性幹細胞から誘導した細胞・組織を移植する際,多くの場合同種異系(アロ)移植となることが予想され,免疫抑制が必要である.臓器移植の発展とともに進化してきた免疫抑制療法を再生医療特有の状況に適合させていく作業や,ES細胞やiPS細胞から免疫制御に役立つような新しい細胞を作製するといった,再生医療時代にも通用する新しいコンセプトに基づいた免疫制御研究が必要である.

キーワード
再生医療、多能性幹細胞、アロ移植、免疫制御、拒絶反応

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再生医療普及のための基盤技術
iPS 細胞大量培養技術開発
松浦 勝久
東京女子医科大学先端生命医科学研究所・循環器内科 特任講師

要  旨
 iPS細胞を用いた再生医療および創薬研究の実現・普及には,安定・安全・安価な未分化細胞,および分化細胞の供給技術開発が不可欠である.すでに世界的にも複数の大量培養技術が開発され始めており,我々も3次元浮遊撹拌懸濁培養技術開発により,ヒト iPS 細胞の未分化増幅,および効率的心筋分化を量産可能なスケールで実現している.iPS細胞応用研究と密接に関連する大量培養技術の重要性は,今後ますます高まるものと考えられる.

キーワード
iPS細胞、バイオリアクター、浮遊撹拌懸濁培養

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再生医療普及のための基盤技術
臨床用 iPS 細胞バンキング:CiRA における再生医療用 HLA ホモ iPS 細胞ストックプロジェクト
金子 新
*1京都大学 iPS 細胞研究所附属細胞調製施設(FiT)施設長 *2同増殖分化機構研究部門 准教授

要  旨
 iPS 細胞による再生医療を広く普及させるための一策として,iPS 細胞のバンク化が検討されている.本稿では,京都大学 iPS 細胞研究所(CiRA)で行われている,日本人への適合性の高い再生医療用 iPS 細胞バンクを樹立する試みについて,ドナー選択や製造施設,製造手法,iPS 細胞バンク事業の国際協調などを中心に紹介する.

キーワード
iPS細胞、再生医療、HLA、細胞調整

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再生医療普及のための基盤技術
再生医療における血管形成の制御
高倉 伸幸
大阪大学微生物病研究所情報伝達分野 教授

要  旨
 再生医療において血管形成制御に求められる課題は大きく分けて2つある.1つは,ES細胞,iPS細胞,あるいは未分化多能性幹細胞を用いて形成された組織塊の移植に際し,いかに組織塊に臓器特異的血管が誘導できるか,そしていかにレシピエントと再生組織塊間に速やかな血流循環を誘導できるか,2つめには,虚血疾患に対する血管再生に対する治療では,いかに安定した,血流の豊富な成熟機能的血管の形成が誘導できるかである.

キーワード
内皮細胞、壁細胞、血管新生、アペリン、内皮幹細胞

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再生医療普及のための基盤技術
再生医療製品の造腫瘍性評価
草川 森士*1  佐藤 陽治*2
*1公益財団法人先端医療振興財団 *2国立医薬品食品衛生研究所遺伝子細胞医薬部 部長

要  旨
“造腫瘍性”とは,動物体内に移植された細胞集団が,悪性または良性の腫瘍を形成する能力を言う.造腫瘍性は再生医療製品のリスクの1つであり,臨床適用される最終製品の造腫瘍性の評価と管理は,安全性確保のための重要な課題である.しかしながら,再生医療製品は,原料となる(幹)細胞の多様性に加え,最終製品の適用法についてもさまざまなケースが想定されるため,造腫瘍性の評価においては,総合的な考察が求められる.

キーワード
造腫瘍性、再生医療製品、体性幹細胞、多能性幹細胞、免疫不全動物

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