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最新医学 70巻4号(通巻893号)

特集 「感染症研究国際ネットワーク推進プログラム (J-GRID)」10年のあゆみ
                       



「最新医学」70巻 4月特集は「『感染症研究国際ネットワーク推進プログラム (J-GRID)』10年のあゆみ」です。


 飛行機などの交通手段が発達した現代において海外で発生した感染症がタイムラグなくわが国にも輸入されることが脅威として最初に認識されたのは2002年に中国で発生したSARS (重症急性呼吸器症候群)でした。それ以来、新型インフルエンザ、デング熱そしてシエラレオネ・ギニア・リベリアで多くの死者を出したエボラ出血熱など、まさに「感染症に国境なし」の状況が続いています。その一方でSARSに関しては海外と情報や試料の共有はほとんどできておらず我が国の科学的貢献はほとんどありませんでした。
 そこで2004年に「感染症研究国際ネットワーク推進プログラム(J-GRID)」が国策として進められました。J-GRIDの目的は①途上国を中心に我が国の大学等の研究機関が長期常在型の研究拠点を新興感染症の発生しがちな国々に設置し、ネットワーク化すること、②ネットワークの運営・推進のため理化学研究所にセンターを設置することでした。
 以来、10年の間に8か国(13拠点)が整備されそれぞれの拠点からの成果も多く報告されるようになっています。
 本特集では「J-GRID 10年の歩み」と題して各拠点からの研究成果を詳しくご紹介頂きました。
 また巻頭座談会ではJ-GRID立ち上げの第1期,事業仕分けに揺れた第2期から現在まで10年間のJ-GRIDの歴史や各拠点の成果に加えてエボラ出血熱や中東呼吸器症候群の現状などについても詳しくお話いただきました。
 我が国の感染症研究の国際協力の現状と成果についてぜひ多くの研究者・臨床の先生方にご覧いただきたい内容となっています。

論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論 東京医科歯科大学 永井 美之 675
[座談会]
「国境なき感染症に備える知のネットワーク(J–GRID)」の10 年を振り返る 東北大学 押谷 仁 677
長崎大学 平山 謙二
京都大学 光山 正雄
(司会) 理化学研究所 永井 美之
[基礎]
大阪大学タイ拠点10 年のあゆみ 大阪大学 武田 直和ほか 693
動物衛生研究所J–GRID 研究拠点ZDCC のタイとベトナムでの活動記録 動物衛生研究所 竹前 喜洋ほか 701
長崎大学ベトナム拠点の活動 ―感染症の最前線で研究をするということ― 長崎大学 山城 哲 708
ベトナム拠点 ―エイズ,結核,そして多剤耐性菌と戦う― 国立国際医療研究センター^ 岡 慎一ほか 716
中国との感染症共同研究の構築と展開 東京大学 岩本 愛吉ほか 725
北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターザンビア拠点における感染症対策への取り組み 北海道大学 小川 寛人ほか 732
インドにおける感染症研究の連携
―岡山大学インド感染症共同研究センターとコレラおよび腸管感染症研究所(NICED)―
岡山大学 篠田 純男ほか 738
神戸大学インドネシア拠点のあゆみと実績 神戸大学 内海 孝子ほか 745
東北大学とフィリピン熱帯医学研究所のパートナーシップ 東北大学 齋藤 麻理子 754
東京医科歯科大学ガーナ拠点
―感染症流行前線拠点でのあゆみ―
東京医科歯科大学 太田 伸生 761
長崎大学ケニア拠点の概要 長崎大学 一瀬 休生 766
新潟大学ミャンマー拠点の概要
―アジアのインフルエンザ循環を探る―
新潟大学 齋藤 玲子ほか 773
研究ネットワークの支援と推進 理化学研究所 加藤 茂孝ほか 779
肉眼解剖学者がみたヒト大脳の立体構造(1)
肉眼解剖学的線維剖出法
Gross Anatomical Tractography(GAT)とその実際
金沢医科大学 篠原 治道 788
トップランナーに聞く
(第50回)
病原性寄生虫「トキソプラズマ」の医学研究について
大阪大学 山本 雅裕 793
ノーベル賞と医学の進歩・発展
(28) タンパク質分解のメカニズム 京都大学 岩井 一宏< 800
トピックス
膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の国際診療ガイドライン 九州大学 田中 雅夫 805
ヒト幹細胞を用いた褐色脂肪細胞の生成と再生医療への試み 国立国際医療研究センター研究所 佐伯 久美子 810
特報 
平成26年度井村臨床研究賞受賞記念論文
コモンディジーズとしての原発性アルドステロン症
―心血管合併症撲滅への挑戦―
横浜労災病院 西川 哲男 817

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