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最新医学 70巻6号(通巻895号)

特集 てんかん医療の多様な展開:基礎から臨床まで
                       



「最新医学」70巻 6月特集は「てんかん医療の多様な展開:基礎から臨床まで」です。


 我が国のてんかん患者数は100万人を越えており、その有病率は全人口の1%弱と一般的な疾患になっています。またてんかんの症状は「けいれん」発作だけに限らず感覚障害、意識減損、自動症、高次脳機能障害など多様性に富んでいるのが特徴です。さらに、てんかん焦点の生理学的発生機構、分子遺伝学的発現機構、病理学的解明などが進んでおり、てんかんは現在多様な展開と発展が起きています。
 例えば基礎医学では異常ネットワーク、グリア細胞の役割の解明が進みiPS細胞を用いることでヒトのてんかん病態の解明が可能となってきました。また臨床医学では、新しい作用機序による新規抗てんかん薬が上市や「高齢者てんかん」の急増、さらに「自己免疫性てんかん」という新しい概念が急速に確立されてきました。一方で医療の面ではWHOの執行理事会の議題に「てんかん」が取り上げられ、今後10年間の重点項目となるなど世界中でてんかんが注目されるようになっています。
 本特集ではてんかんの多様な展開の現状を、基礎から臨床まで幅広く国内屈指の先生方に解説して頂きました。
 また巻頭の座談会ではてんかん研究や治療の最新の知見や「移行期医療」・「世界的な動向」などについて幅広くお話いただきました。
 神経内科や神経外科、小児科といった日常的にてんかんの患者さんを診察されている先生方はもちろんのこと高齢者を診察される機会の多い一般臨床医の先生方にも是非ご覧頂きたい内容となっています。

論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論 京都大学 池田 昭夫 1009
[座談会]
21世紀のてんかん医療の多様な展開 やまびこ医療福祉センター 田中 達也 1011
福岡大学 廣瀨 伸一
(司会) 京都大学 池田 昭夫
[基礎]
アステロサイトによる空間的カリウム緩衝機構とてんかん病態 -新たなてんかん治療標的分子Kir4.1チャネルの機能に着目して- 大阪薬科大学 金星 匡人ほか 1023
てんかん外科病理に関する最新の国際分類 新潟大学 柿田 明美 1031
てんかんの遺伝型と分子病態 山形大学 加藤 光広 1038
新しい抗てんかん薬の開発とてんかん発症防止戦略 北東北てんかんセンター 兼子  直ほか 1044
システム神経科学とてんかんの接点 京都大学 松本 理器ほか 1051
[臨床]
高齢者てんかんの特徴と治療 国際医療福祉大学 赤松 直樹ほか 1061
小児てんかんの特徴と治療 東京女子医科大学 小国 弘量 1066
てんかん画像の進歩 東京医科歯科大学 稲次 基希ほか 1072
自己免疫性てんかん 金沢医科大学 田中 惠子 1078
妊娠可能年齢の女性におけるてんかん診療戦略 宇多野病院 梶川 駿ほか 1084
薬物療法の基本-新規と既存抗てんかん薬の使い方- 三重大学 岡田 元宏 1090
てんかん外科の現状と展望 札幌医科大学 江夏 怜ほか  1097
新しい刺激療法 -迷走神経刺激療法など- 近畿大学 加藤 天美ほか 1102
肉眼解剖学者がみたヒト大脳の立体構造
(3) 大脳の回と溝:大脳内側面・島葉 金沢医科大学 篠原 治道 1114
トップランナーに聞く
(第52回)
疾患特異的遺伝子変異解析による前がん状態から発生する血液がんの研究
筑波大学 坂田(柳元)麻美子 1117
ノーベル賞と医学の進歩・発展
(第30回)
子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルスの発見
京都大学 小西 郁生 1122
トピックス
心腎連関による心臓リモデリング機序 東京大学 藤生 克仁 1130
乳がんにおけるセンチネルリンパ節生検の推奨 昭和大学 榎戸 克年ほか 1136
特報
家族性突然死症候群における遺伝的背景の解明と治療への応用 滋賀医科大学 大野 聖子 1141

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