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最新医学 71巻1号(通巻904号)

特集 インクレチン薬による糖尿病治療の革新 -基礎と臨床の架け橋-
                       



「最新医学」71巻 1月特集は「インクレチン薬による糖尿病治療の革新 -基礎と臨床の架け橋-」です。


 インクレチンはもともと腸管から分泌される膵からのインスリン分泌を刺激する因子として命名されました。そしてインクレチンの一つであるGLP-1はグルカゴンとよく似た配列を持つペプチドとして、GIPは当初gastric inhibitory polypeptideから命名されたように胃運動を抑制する因子として同定されました。ところがGLP-1はグルカゴンの作用と全く異なりインスリン分泌を促進することで血糖を降下させる作用を持つこと、GIPも同様にインスリン分泌を促進する作用から血糖降下作用を持つことが分かりました(このため、GIPはglucose-dependent insulinotropic polypeptideとも称されています)。
 初めてインクレチン作用を作用機序の基盤とする糖尿病の治療薬が登場したのは2009年ですが、現在では経口薬であるDPP-4阻害薬は9種類、注射薬であるGLP-1受容体作動薬は5種類発売され、その扱いやすさから糖尿病の治療薬として大きなポジションを占めており、様々な大規模臨床試験も行われています。  一方でGLP-1シグナルが中枢神経や末梢神経でも生理的な役割があることが多くの基礎研究から分かり、現在は認知症への効果を検索する臨床研究などインクレチンの膵外作用に対する研究も進められています。
 本特集ではインクレチンの基礎と臨床をつなぐ最新の研究成果について国内の最前線で活躍されている先生方が解説しています。また日本でインクレチン・糖尿病研究をリードされている先生方による巻頭座談会ではインクレチン研究の歴史から実際の臨床の現状・将来の期待までをお話いただいております。
 糖尿病治療を大きく変えたインクレチンの最前線を是非ご覧下さい。

論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論 秋田大学 山田 祐一郎 5
[座談会]
インクレチン 7年の歩み 基礎と臨床の架け橋 関西電力病院 清野 裕 7
東京大学 門脇 孝 
(司会) 秋田大学 山田 祐一郎
[基礎]
インクレチンの膵作用 ―ホルモン分泌と細胞量の調節― 神戸大学 横井 伯英ほか 17
インクレチンの心血管系への作用 昭和大学 森  雄作ほか 23
インクレチンの腎臓への作用 金沢医科大学 金﨑 啓造 28
インクレチンの神経系を介した多様な作用 自治医科大学 桂田 健一ほか 37
インクレチンの骨への作用 藤田保健衛生大学 鈴木 敦詞 44
インクレチンの炎症への作用 秋田大学 佐藤 雄大 49
糖尿病と心不全 ―DPP-4 阻害薬は是か否か― 名古屋大学 坂東 泰子ほか 55
[臨床]
インクレチン作用の評価 北野病院 濵崎 暁洋 60
減量手術とインクレチン 滋賀医科大学 卯木 智ほか 73
インクレチン大規模臨床試験 東京医科大学 小田原 雅人 79
長期作用型インクレチン関連薬について 訂正 京都大学 原田 範雄ほか 89
超高齢者社会におけるインクレチン製剤の意義 東京都健康長寿医療センター 荒木 厚 97
痛みのClinical neuroscience
(7)慢性痛難治化の心理社会的因子 ―養育スタイルとアレキシサイミア― 九州大学 細井 昌子ほか 104
肉眼解剖学者がみたヒト大脳の立体構造
(10)外側からのアプローチ(7)大脳辺縁系,海馬傍回鈎,扁桃体,ジアコミニ帯,嗅索,内側・外側嗅条,前有孔質,ブローカの対角帯,前交連グラチオレット管,側坐核,線条体底(仮称),皮線条体線維 金沢医科大学 篠原 治道 108
トップランナーに聞く
(第58回) ターゲットシークエンスによる難治性進行がんの治療開発研究 国立がん研究センター 土原 一哉 114
ノーベル賞と医学の進歩・発展
(第37回)  神経細胞の膜機能 ―活動電位とシナプス後電位の研究― 関西医科大学 玄番 央恵 122
トピックス
モガムリズマブの新しい展開 愛知医科大学 鈴木 進ほか 126
特報
第52回 2015年度 ベルツ賞受賞論文:
EML4-ALK がん遺伝子の発見と分子標的療法の実現
東京大学 間野 博行ほか 134

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