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最新医学 73巻4号(通巻934号)

特集 マイクロバイオームと感染症研究の進歩
                       



「最新医学」73巻4号特集は「マイクロバイオームと感染症研究の進歩」です。


 腸内では100種から3000種類の異なる種類の細菌同士が複雑な共生関係を構築していますが宿主であるヒトとも共生関係にあります。これまでも腸内細菌の存在は知られていましたがそのほとんどが偏性嫌気性菌のために分離培養が困難で研究は進んでいませんでした。ところが次世代シークエンサーを初めとする遺伝子解析技術の進歩により細菌群集のゲノムを培養することなく網羅的に解析することができるようになったことでその研究は飛躍的に進み、炎症性腸疾患、糖尿病、大腸癌、自閉症、アテローム性動脈硬化症、メタボリック症候群、リウマチや多発性硬化症など多くの疾患と腸内細菌の関連性が報告されるようになりました。
 その一方でマイクロバイオームという言葉は聞いたことはあるものの具体的には何が分かっているのか詳しくご存知ない読者の方も多いと思います。
 今回、専門家の先生方に腸内のみならず人体に存在している細菌叢と様々な疾患の関係など最新の情報を解り易く解説をしていただきました。
 さらに巻頭鼎談では基礎研究と臨床の最前線でご活躍されている先生方をゲストにお迎えし腸内細菌研究の基礎から疾患との関わりまたこれからの方向性などを大変解り易くお話し頂きました。
 最近増加傾向にある疾患と切っても切り離せないマイクロバイオーム研究についてコンパクトにまとめられた一冊です。

論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論 長崎大学 栁原 克紀 475
[鼎談]
マイクロバイオーム研究
―臨床応用に向けて目指すべき方向性―
慶應義塾大学 金井 隆典 476
大阪大学 竹田 潔
(司会) 長崎大学 栁原 克紀
【総論】
メタゲノム解析によるヒト腸内マイクロバイオームの国レベル多様性 早稲田大学理工学術院 服部 正平ほか 488
メタゲノム解析による病原体検出 国立感染症研究所 黒田 誠 497
腸内細菌叢が代謝・免疫に与える基本的理解 千葉大学 白  旭ほか 504
【歯科領域】
口腔内における複合微生物感染症のホロゲノム動態を時空間的に理解する 京都大学 芝 多佳彦ほか 509
口腔微生物叢と感染症リスク 九州大学 山下 喜久 523
【呼吸器領域】
呼吸器領域感染症を取り巻くマイクロバイオータの役割 長崎大学 森永 芳智 530
【消化器領域】
腸内細菌による病原微生物に対する感染抵抗性 慶應義塾大学 金 倫基 538
感染症治療としての糞便微生物移植 慶應義塾大学 水野 慎大ほか 545
【皮膚領域】
アトピー性皮膚炎における皮膚細菌叢と黄色ブドウ球菌感染 千葉大学 松岡 悠美 551
【婦人科領域】
マイクロバイオームと産婦人科領域感染症 富山大学 塩崎 有宏ほか 558
【予防的見地】
マイクロバイオーム・感染症研究からのワクチン開発への展望 医薬基盤・健康・栄養研究所 平田 宗一郎ほか 563
プロバイオティクス・プレバイオティクスと感染症・全身性炎症反応の制御 大阪大学 清水 健太郎ほか 568
痛みのClinical neuroscience
(34) 運動器の痛み 6.断端神経腫や絞扼性神経障害のメカニズムと治療 名古屋大学 中野 智則ほか 576
トピックス
概日リズムと免疫応答 大阪大学 鈴木 一博 580
パーキンソン病リスク遺伝子としてのGBA 京都大学 上村 紀仁 586
特報 平成29年度 井村臨床研究賞受賞記念講演
内因性生理活性物質補充によるエネルギー代謝制御と健康加齢の実現 慶應義塾大学 伊藤 裕 593

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