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最新医学 74巻6号(通巻948号・最終号

特集 脳血管と認知症
                       



「最新医学」最終号特集は「脳血管と認知症」です。


 我が国における認知症の患者数は500万人、その予備軍である軽度認知障害と合わせると患者数は900万人と言われており大きな社会問題となっています。また認知症の中でもアルツハイマー病が約60%と大半を占め、次に患者数の多い血管性認知症が約20%となっていますが両方を合併する混合型認知症は55%であり最も多い病型は混合型認知症であるとも言われています。
 一方で慢性の脳低灌流は血管性認知症の主要病型である皮質下血管性認知症の白質病変の成因であるばかりではなく、海馬の神経細胞死にも関与していることが最新の研究によって報告されています。また学習・記憶機能障害を発症する慢性脳低灌流動物モデルの開発などにより脳血管因子の様々な異常が認知症発症に関連することが解ってきました。
 本特集では脳血管と認知症の関係について基礎研究から実際の臨床でのリスクについて国内の最前線でご活躍されている先生方に解説頂きました。また巻頭鼎談では基礎と臨床の専門家をゲストにお招きして認知症研究の最新情報やコホート研究やメタ解析に基づく様々な生活習慣病と認知症の関連について分かり易くご紹介頂きました。
 今後、超高齢化社会を迎える我が国において喫緊のテーマである認知症の展望が見渡せる一冊になっています。

論文題名

著者所属

著者名

通巻頁
序論 三重大学 冨本 秀和 717
[鼎談]
認知症と血管因子のホットトピックス 国立長寿医療研究センター 里 直行 719
国立循環器病研究センター 猪原 匡史
(司会) 三重大学 冨本 秀和
【基礎】
アミロイドβクリアランスと認知症 国立循環器病研究センター 猪原 匡史 732
ペリサイトによる脳の堅牢性の維持と破綻による疾患との関連 新潟大学 加藤 泰介ほか 739
慢性脳低灌流と認知症 藤田医科大学 脇田 英明 744
神経グリア血管単位と認知機能障害 京都大学 眞木 崇州 750
【診断・臨床】
認知症と炎症マーカー 東京女子医科大学 北川 一夫 755
高血圧および血圧変動と認知症 九州大学 大石 絵美ほか 761
動脈スティッフネスと認知症 国立長寿医療研究センター 佐治 直樹 770
脳卒中後認知症(poststroke dementia)の病態 大阪市立大学 伊藤 義彰 778
心房細動と認知症 三重大学 新堂 晃大ほか 786
認知症リスクとしての無症候性白質病変 岩手医科大学 佐々木 真理 793
認知症リスクとしての脳微小出血(マイクロブリーズ) 佐賀大学 薬師寺 祐介ほか 798
認知症リスクとしての皮質微小梗塞 三重大学 伊井 裕一郎ほか 806
頸動脈病変と認知機能 岩手医科大学 小笠原 邦昭 812
遺伝性脳小血管病の診断と臨床 京都府立医科大学 渡邉 明子ほか 818
「寄稿文」
最新医学に対する思い出 828