最新医学 67巻5号

特集 脊髄小脳変性症(SCD)のUp-To-Date
    


・表紙をクリックすると目次をご覧になれます。
・2012年5月10日発行


編集部から一言

特集
 「最新医学」67巻5月特集は「脊髄小脳変性症(SCD)のUp-To-Date」です。


   脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration:SCD)は、小脳、脳幹、脊髄を中心とする神経細胞が変性・脱落し、失調症性歩行、構音障害、四肢の協調運動障害などをきたす疾患の総称で、我が国では、孤発性、遺伝性を含めたSCD患者が約2万人強、多系統萎縮症(MSA)患者が1万人いると推定されています。
 遺伝性SCDの中でも、約30疾患が報告されている優性遺伝性SCDが遺伝性SCDのほとんどを占めています。特に、我が国ではマシャド・ジョセフ病(MJD)、脊髄小脳失調症(SCA)6、SCA31、歯状核赤核淡蒼ルイ体委縮症(DRPLA)の4疾患が優性遺伝性SCDの8割近くを占めています。
 我が国の研究者を中心にSCD原因遺伝子の同定が進んでおり、将来的には病態の進行を制御する治療法の開発が期待されています。
 本特集では、SCD・MSAの臨床と研究の最先端を我が国の第一人者の先生方が詳しく解説しています。
 SCDはアルツハイマー病などと比較すると患者数も少なく、知名度も低い疾患です。
 だからこそ有効な治療法を開発していくためには、神経内科医のみならず基礎医・薬学系、工学系の研究者、行政、患者が一体となることが不可欠です。是非、読者の皆様にSCDの現状を理解して頂き、ご興味を持って頂ければと思います。



連載
 「現代社会とうつ病」
 現代社会において問題となっております「うつ病」について病気そのものの解説、治療法、サポート体制などを連載形式で詳しく紹介する目的で連載「現代社会とうつ病」を企画致しました。
 66巻5号から約3年間にわたり国内の診療・研究の最前線でご活躍されている先生方に「うつ病」について詳しくご解説をお願いしております。
 第13回は東京女子医科大学・坂本 薫 先生による「若年者の非定型的なうつ病」です。



連載
臨床研究のススメ
 これまで我が国では臨床研究に対する評価はそれほど高いものではなく、諸外国に比べて大きな成果を上げるのが難しい状況でした。最近になってようやく臨床研究が評価されつつあるものの、日本以外のアジア諸国の台頭もあり、我が国の臨床試験の遅滞状況は危機的なものとなっております。
 そこで、この度、臨床研究とはどの様なもので、何に基づき、何をどの様にやらなければならないかをご紹介する目的で先端医療推進財団・理事長 井村 裕夫 先生にご監修頂き「臨床研究のススメ」を企画致しました。
 第13回は北里大学・熊谷雄治先生による「国際共同治験、わが国の課題」です。

連載
 トップランナーに聞く

 「最新医学」では第66巻からの新企画として「トップランナーに聞く」と題し、40歳前後の最先端の研究をされている先生のインタビューを掲載します。
 第17回は免疫系ヒト化マウスモデルを駆使した生体防御メカニズムの解明で先進的な成果を上げられている理化学研究所の石川 文彦 先生にお話を伺いました。

トピックス
 心不全のトランスクリプトーム   (京都大学・塩井 哲雄)
 関節炎におけるマイクロRNAの機能 (理化学研究所・浅原 弘嗣)

特報 2011年度 井村臨床研究奨励賞受賞記念論文:
 ポジトロン断層撮像検査による早期の冠動脈硬化病変診断法および
 心筋代謝障害診断法の開発から治療効果評価への応用   (北海道大学・吉永 恵一郎)