『喫煙』は一つの疾患単位です.
  最近の「全国たばこ喫煙者率調査」によりますと,本邦の喫煙者率は過去最低の20.9%となりましたが,欧米各国と比べてもまだまだ高い現実があります. 本書はこの疾患単位である『喫煙』が喫煙者本人や周囲の人に与える悪影響について,最新の知見も交えて分かりやすく解説しています.
 生活習慣改善の重要なポイントとして,もう一度『喫煙』について考えませんか.

書名 喫煙病学の進歩
著者 医療法人いのクリニック理事長
 井 埜  利 博
定価 本体 1,500 円 +税
発行年月日 2013年7月
頁数 176頁
ISBN 978-4-914909-54-3
分類コード C3047
目次 目次

はじめに

第 1 章 喫煙率からみた我が国の位置
1.世界保健機関(WHO)の見方
2.喫煙率の国際比較における日本
3.喫煙率ゼロは夢のまた夢か?

第 2 章 タバコに含まれる化学物質と発がん物質
1.目にみえないタバコの煙
2.タバコ煙に含まれる有害物質
3.副流煙について
4.タバコ規制枠組み条約(FCTC)
5.ニコチン摂取の自己調節作用

第 3 章 タバコ煙中の放射線物質
1.福島原発事故による放射線とポロニウム
2.タバコ煙中のポロニウム
3.タバコ煙中のポロニウムとタバコ会社

第 4 章 喫煙によって引き起こされる疾患
1.疫学研究をみる上で
2.喫煙の急性影響
3.喫煙と肺がん
4.慢性閉塞性肺疾患(COPD)
5.その他の呼吸器疾患
6.喫煙による循環器障害と動脈硬化
7.閉塞性動脈硬化症
8.喫煙によって起こる肺がん以外のがん
9.禁煙による発症リスクの低下

第 5 章 受動喫煙によって引き起こされる疾患
1.受動喫煙と小児疾患
2.受動喫煙と小児気管支喘息
3.妊娠中の喫煙と小児喘息の関係
4.ETS とRS ウイルス感染症
5.母親の喫煙と乳幼児突然死症候群(SIDS)
6.受動喫煙と子どもの認識,行動機能
7.早期の動脈硬化出現
8.受動喫煙の新たな概念(サードハンドスモーク)
9.世界および日本の受動喫煙防止対策
《トピックス》 PM2.5と受動喫煙

第 6 章 受動喫煙の評価と指標(バイオマーカー)
1.バイオマーカーの必要性
2.タバコ煙に含まれる発がん物質と尿中バイオマーカー
3.受動喫煙の客観的評価に用いられるコチニン
4.尿中コチニンの測定
5.ニコチン代謝の個体差とバイオマーカーとしてのコチニン

第 7 章 母親の妊娠中喫煙と胎児
1.母親の喫煙と早産,流産,低出生体重児
2.近年の疫学調査
3.母親への受動喫煙と低出生体重児
4.第二子の早産の割合
5.生活習慣病胎児期発症説(Barker 仮説)と母親の妊娠中喫煙
6.母親の妊娠中喫煙と子どもの肥満

第 8 章 未成年の喫煙と非行
1.未成年の喫煙行動
2.親の喫煙と子どもの喫煙(世代間連鎖)
3.中学生・高校生の心理
4.未成年女性の喫煙のきっかけ
5.喫煙することはニコチン依存症という病気だと教える

第 9 章 ニコチン依存とニコチン関連の遺伝子
1.脳内報酬系とニコチン依存
2.ニコチン受容体とは
3.面白いニコチン受容体
4.ニコチン受容体とニコチン代謝酵素の遺伝子多型

第 10 章 禁煙の薬物治療の最近の知見
1.今までの禁煙治療
2.欧米と我が国における禁煙指導の有効性
3.新たな禁煙治療について
4.バレニクリンの作用機序と有効性
5.精神疾患患者における禁煙成功率

第 11 章 受動喫煙検診の成果と利点
1.受動喫煙検診について
2.受動喫煙のバイオマーカーとしてのコチニン
3.熊谷市の受動喫煙検診プロトコール
4.今までの受動喫煙検診により明らかになったこと
5.既往疾患と尿中コチニン濃度との関係
6.尿中コチニン濃度と発がん物質の関係
7.子どもの生活習慣と受動喫煙の関係
8.受動喫煙検診による禁煙動機づけ

あとがき 禁煙推進は科学的にかつ分野別に
文 献

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